
「病院や役所などは利用者からハラスメントを受けたとき、警察と連携して対応できる体制を整えているが、現状の学校には体制がないので教員が対応せざるを得ない。しかも、学校は保護者との関係がいくらこじれても、生徒が卒業するまでは関係を切ることができません。『これ以上は無理』と告げると『それなら、うちの子を学校に行かせない』と子どもを人質に取られることもあるため、反撃しづらいのです」
ただし、学校現場が疲弊しないようにガード体制をとることは可能だと言う。
電話がかかってきたら「このあと会議があるため、何時までしか話をうかがえない」など時間枠を伝えておくだけでも改善はあり得る。
言った・言わないの水掛け論になりそうなときは、複数の教員で対応して記録を残すことや、会話を録音することも有効だという。
「あまりひどい場合は証拠を集め、威力業務妨害で警察に通報することもできます」
(ライター・大塚玲子)
※AERA 2022年8月29日号より抜粋