「食べログ」百名店に選ばれ、メディアでの紹介も増えてきた2018年ごろからブレークし、現在に至る。東京から少し離れ、一見へんぴな場所にも思えるが、「Kiriya」のある流山市は06年につくばエクスプレスが開業し、都心に直結になったことで人気が急上昇。人口増加率は全国792市で5年連続1位で、ここ15年で人口は5万人も増加しており、「住みたい街」の常連にもなっている。
そんな大人気の流山エリアで、「Kiriya」は一、二を争う人気店に成長。今では毎日大行列を作る盛況ぶりだ。
「万蕾」高野さんは、青木さんのことを「ボス」と慕う。
「『万蕾』のオープンの頃にお店の常連さんに『Kiriya』に連れて行ってもらい、それ以来プライベートでもお世話になっています。ボスはとにかく勉強家で、とことんこだわり抜くところがすごい。特に『kiri_Soba(潮)』は傑作です。ダシのうまみをタレで引っ張っていく味の構成は見事です」(高野さん)
「Kiriya」青木さんは高野さんのセンスに脱帽する。
「とにかくセンスがいい。彼のことを“天才”とはじめに言い始めたのは私です。もともとのバックボーンに加えて、彼独特のセンスの良さでいいラーメンを作っていますね。ベッドタウンの中での戦い方もよくわかっていて、いい店作りをしています」(青木さん)
地元に根差しながら独自のラーメンを追求し続ける。濃厚なラーメンが全盛の今、淡麗系で地元に愛されているのは、そのクオリティーの高さあってこそだ。(ラーメンライター・井手隊長)
○井手隊長(いでたいちょう)/大学3年生からラーメンの食べ歩きを始めて19年。当時からノートに感想を書きため、現在はブログやSNS、ネット番組で情報を発信。イベントMCやコンテストの審査員、コメンテーターとしてメディアにも出演する。AERAオンラインで「ラーメン名店クロニクル」を連載中。Twitterは@idetaicho
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