東京2020大会でも、早稲田大出身のオリンピック代表は28人を数えて、日本体育大に次ぐ多さだった。その背景には、同大学14代総長(1994~2002年)を務めた奥島孝康さんの存在が大きいと、原田さんはみる。
「奥島さんが総長だったころ、大学選手権の全競技で優勝すると、とんでもないことを言いだしました。その推進力の一つとして、人間科学部スポーツ科学科を学部に昇格して、スポーツ科学部(スポーツ科学学術院)になったことがあげられます。早稲田では、同学術院と一部の学術院でスポーツ推薦を行っており、多くの優れた学生が集まり、各体育会系部活動でトップアスリートが活躍できるようになります。インターハイの上位1~3番が早稲田に入ってくることもあり、各競技でずいぶん強くなりました。一方、一般入試で入学して活躍する学生や、通信教育課程のアスリートもいます。また、練習は早稲田ではなくクラブチームで行うというケースもあります。フィギュアスケートの羽生結弦さん、荒川静香さんなどですね。大学がアスリートを養成するというのではなく、そういうチャンスを与えるのが基本です。あとは部活動、クラブチームに任せています」
2位日本大からは7人が代表に選ばれた。
平野歩夢さん、海祝さん兄弟はいずれも新潟県の開志国際高校出身である。兄の歩夢さんは2014年ソチ大会、2018年平昌大会で銀メダルを獲得した。冬季五輪の日本代表選手としての最年少メダル獲得記録保持者となっている。ワールドカップを制しており、北京大会では金メダル候補となっている。弟の海祝さんはスポーツ科学部1年生だ。
■フィギュアスケートに強い中京大
3位中京大6人のうち1人が、フィギュアスケート選手の宇野昌磨さんだ。宇野さんはスポーツ科学部の学生で、2018年平昌大会の銀メダリストだ。同大学豊田キャンパスにはフィギュアスケート仕様のスケートリンク「オーロラリンク」がある。スケートの授業や附属高校・大学スケート部の練習で使われており、五輪で活躍した小塚崇彦さん、安藤美姫さん、浅田真央さん、村上佳菜子さんなどが技術を磨いた。