4日に開幕した北京冬季オリンピック。日本は124人の選手を送り、メダル獲得、上位入賞をめざしている。日本代表選手のなかには高校、大学時代に実力をつけ、才能を開花させたアスリートは少なくない。日本代表の出身大学ランキングを作ってみた(在学、中退、通信制を含む)。
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1位は早稲田大の18人だった。2位を大きく引き離している。
このうち現役の学生が6人いる。小山玲弥さん、山下栞さん、山下光さん(以上、アイスホッケー女子)、広瀬崚さん(スキー/距離)、谷地宙さん(スキー/ノルディック複合)、小池克典さん(スケート/ショートトラック)だ。
早稲田は冬のオリンピックに強い。
大学や日本オリンピック委員会(JOC)関係者からこう言われ続けてきた。過去の冬季オリンピックをふり返ってみよう。
◆2006年(イタリア、トリノ大会)
(1)早稲田大、日本大7人、(3)近畿大、仙台大、北海道東海大、山梨学院大5人
◆2010年(カナダ、バンクーバー大会)
(1)早稲田大、日本大7人、(3)東海大5人、(4)仙台大、明治大、山梨学院大4人
◆2014年(ロシア、ソチ大会)
(1)早稲田大12人、(2)中京大6人、(3)仙台大、日本体育大、北翔大5人
◆2018年(韓国、平昌大会)
(1)早稲田大11人、(2)日本体育大、日本大6人、(4)中京大、東海大、北翔大4人
<朝日新聞出版「大学ランキング」2007年版、2011年版、2015年版、2019年版から>
■高校生のリクルートに「太いパイプ」
1位早稲田大の18人。他大学を圧倒する強さの秘密はどこにあるのか。
2005年から2021年まで早稲田大教授をつとめた、大阪体育大学長の原田宗彦さんに話を聞いた。原田さんはJOCオリンピック招致推進プロジェクト委員として、オリンピック東京大会の招致活動も進めていた。こう解説する。
「早稲田は体育会系部活動において優れた高校生をリクルートする際、各地に太いパイプがあります。長野県白馬から渡部暁斗さん、善斗さん兄弟が今回、代表に選ばれました。少し前では群馬県草津から荻原健司さん、次晴さん兄弟が入学し、健司さんはオリンピックでメダルを取っています。早稲田にあこがれて入学を希望する学生が多いなか、大学がこうしたつながりを維持してきたのは、さすがです」