■湘南「A」

 最終節まで残留争いに飲み込まれた昨季だったが、オフに積極補強を敢行してチーム力は大きくアップした。ポジション毎に新加入の面々を見ると、FW陣にはパリ五輪のエース候補でもあるスピード豊かな若月大和(←FCシオン)がレンタルバックした他、J1で実績があり、幅広い働きが期待できる瀬川祐輔(←柏)、高校選手権で得点王に輝いた鈴木章斗(←阪南大高)。MF陣では日本人屈指のボール奪取能力に衰えのない米本拓司(←名古屋)と、7年ぶりの古巣復帰となる元主将の永木亮太(←鹿島)。DF陣ではレンタル先で経験を積んだ福島隼斗(←福島)など、計算のできる確かな人材たちをチームに加えた。

 新加入選手の多さは時にチームの熟成度の低さに繋がるが、昨季途中に就任した山口智監督の下、退団者を最小限に食い止めた点は非常に大きく、例年とは異なる点である。レンタル延長となったGK谷晃生らレギュラー陣がほぼ残留しており、チームの骨格に大きな変化はない。継続したチーム作りの中で選手層は確実に厚くなり、MF田中聡、MF畑大雅など伸び盛りの面々も多い。若手と新戦力がうまく融合すれば、目標に掲げる「5位以内」の実現も可能になってくる。

■清水「B」

 昨季は大型補強を敢行しながら下位に低迷。巻き返しへ向けてチームの成熟度を上げたい中で、技術と運動量を併せ持つFW神谷優太(←柏)、高いテクニックを持ち4年ぶりの復帰となる元10番のMF白崎凌兵(←鹿島)、高い攻撃性能を持つ右SBのDF岸本武流(←徳島)ら攻撃にアクセントを加えられる実力派の面々を獲得。さらに右サイドから切り込む左利きのFW高橋大悟(←北九州)、万能型プレーメーカーのMF成岡輝瑠(←相模原)らをレンタルバック。FW指宿洋史、MF河井陽介、MF中村慶太、DFエウシーニョ、DF奥井諒らを放出したが、レギュラー陣は残留。昨季に比べると“派手さ”は落ちる感はあるが、間違いなくチーム力はアップした。

 最前線のチアゴ・サンタナ、鈴木唯人の2人は健在で、昨季途中に加入したMF松岡大起も、さらに存在感を高めるはず。ここに新加入の面々が新たなエッセンスを加えながら選手層を厚くできれば、長いシーズンをしっかりと戦い抜ける。特に優れたキック精度を持つ神谷の加入はセットプレーからの得点増加に繋がるはず。チーム全体を見ても20代前半の若い選手も多く、今後の成長が見込める点も非常に楽しみだ。

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