5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。
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case.18 部屋の空気を変えると物事は楽しいほうに動きだす
夫+子ども/公務員
いつも時間に追われている気がする、家族に優しくできない、頭の中が整理できない、人間関係で疲れている……片づけに困るばかりかこんな思いを抱えている人がいます。その裏では自信を失っていたり、周りに気を使いすぎていたり、強く自分を責めていたり。今回ご紹介する女性は夫と小学生の息子との3人家族。片づけ前はだいぶ無理をしていました。
「子どもの頃から、自分を追い込んで頑張りすぎる性格でした。自分でも苦しいけどやめられない。そんな生き方をしてきて」
彼女はすごく愚直な人。高い成長欲求は自分を動かすエンジンでした。真面目で素直だからプロジェクト中のすべてをノートにメモしています。片づけ前を記したページには「心の余裕がほしかった」とありました。
「家族との旅行中ですら仕事のことが頭にありました。業務の期限に追われながら、あれもできたかも、もっとこうするべきだったかも、と考えたら寝るのも惜しくて。仕事をしていない時間は怠慢とさえ思っていました」
家には物が多く、休日は散らかった物を集めるだけで時間が過ぎました。家族仲はいいのに余裕がなくて苦しくて夫や息子にあたることも。頑張れば頑張るほど良くない方へ行く気がして、仕事を誇りに思うのに辞めようかと気持ちが揺れることもありました。
状況が変わったのは息子のコロナ休校が明けた時。学校も遊びも友だちも大好きだった子が突然、登校できなくなりました。確かな理由はわからないけど、もともと少し学校で無理をしていたのではと察したそうです。