また、米国だけではなく、中南米出身の選手が打撃中心になるのも仕方ない部分もあるようだ。

「育った時の考え方や環境が違うので攻守に偏った選手が生まれるのも、しょうがない。米国人は打撃好きで守備練習を削ってまで打つ。中南米では子供時代はストリートで野球をプレーして育つケースが多い。紙や牛乳パックを丸めたボールを木の棒で打つのでプレーがどうしても打撃中心になる。(自前で作ったボールなので)イレギュラーな打球が多く、難しいゴロへの対応が上手くなったりもするが、日本のような攻守にオールマイティな選手な選手が育つ環境ではない」(MLBアジア地区担当スカウト)

 巨人のウォーカーは打撃が得意ではあるが、守備に難がある。一方でロッテのエチェバリア(キューバ出身)のように守備が一級品であるが、打撃は計算できないような選手も存在する。

 これまでも日本では考えられないような、打撃と守備に“偏り”がある助っ人が来日することもあったが、時にチームは巨人のウォーカーやロッテのエチェバリアのように「攻」「守」のいずれかだけを選択するケースもある。

「外国人選手に関しては攻守両方での期待することは難しい場合もある。打撃、守備のどちらかで結果を残せれば優良外国人という判断ができる。NPBに来る選手はマイナーのなどで伸び悩んでいる若手。もしくは3A、独立リーグでプレーしている30歳前後の選手でメジャー定着までは行かないクラスが多い。そういった選手は攻守のどこかに欠陥があるのでメジャーまでは辿り着けない。若い選手の場合、日本で成長してメジャー行きをつかむ場合もあるがそれは少数派です」(在京球団編成担当)

「攻守どちらかで欠陥があってもチーム編成上の1つのピースとして割り切る時もあり、そういった場合は出来高などの契約条件を工夫している」(MLBアジア地区担当スカウト)

 ウォーカーはスローイングを中心に守備の練習に取り組んでいることが報道されるが、年齢的にも大幅に改善するとは考えにくい。しかし、打撃を軸とした「攻」の部分ではさらなる飛躍も期待させている。今後どれだけ日本で守備力を向上させられるか、また打撃でどれだけ“大化け”するのか、名門に加入したドレッドヘアーがトレードマークの助っ人の“成長”に注目したい。

暮らしとモノ班 for promotion
なかなか始められない”英語”学習。まずは形から入るのもアリ!?