保護者は、子どもが思っていること、感じていること、考えていることを、それがどんなに言葉足らずでも、覚悟をもって「全部」聞いてください。
一つ一つの言葉に注目し、うなずき、要約し、質問を投げかけます。こちらからは決して誘導したり、批評したり、話をまとめて結論を急いではいけません。
子どもが「主な話はほとんど伝えられた」という感じがしたら、そこで初めて、人生の先輩として、自分の体験談やこれから取れそうな行動のプランなど、複数のシミュレーションを示してあげます。
親子で検証を重ねていきながら、最後は、子ども自身が行動を一つ選ぶ。保護者は、その決心を、全力で支えてあげるようにすれば良いのです。
■幼児から高校生まで、親が子どもに常に伝えるべきメッセージ
子育てで問題が起きた時はチャンスです。子どもは「自分の欲求に従い、自分の行動を自分で選ぶ」という、人生の大切なトレーニングができるからです。
しかし、子どもが自分で選んだ行動の結果、それで失敗したり、挫折したりすることもあるでしょう。
親は「だから言ったのに!」と思うこともあるかもしれません。しかし、その言葉は飲み込んでください。
子どもが挫折した時、親は黙って味方でいてあげて、決して見捨てない態度を示すべきです。
幼児であっても高校生であっても、「親はどんな時も味方でいてくれる」というメッセージさえ、言葉、態度、雰囲気などで伝えられれば大丈夫です。
有形無形のメッセージは、子どもの「自信」となってメンタル面を支え、長い人生をも支えていきます。
子育てのピンチは何度でも訪れますし、親子バトルも避けられません。むしろぶつかりあったらいいのです。
しかし、それを親子パワハラとしてしまうのか、それとも、子どもが成長するチャンスとするか。それは、保護者自身にかかっています。ぜひ、自分自身と子どもの疲労をケアすることで、「怒り」に乗っ取られずに子どもの話をきちんと「全部」聞くことで、親子それぜれに成長していってほしいと思います。
(取材・構成/向山奈央子)