故障離脱中のヤクルト・村上、プロ野球選手はやはり“健康第一”(写真提供・日刊スポーツ)
この記事の写真をすべて見る

 セ・パ交流戦の熱戦が続いているプロ野球。その一方で水面下では来季に向けての話題も徐々に聞かれる時期となってきた。先日は『今オフFA市場の目玉は誰になる? 注目集まる虎のリードオフマン 中日オリックスには争奪戦になりそうなドラ1投手2人』という記事で今季中に新たにFA権を取得する選手の現状について紹介したが、ある意味それ以上に注目が集まるのがメジャー移籍を目指す選手たちではないだろうか。今シーズンも新たに海を渡った菅野智之(オリオールズ)が先発として見事な成績を残しており、来季以降もさらに日本人メジャー・リーガーが増える可能性は高い。しかし今シーズンのここまでのプレーぶりを見ると、驚くほど苦しんでいる選手が多いことがよく分かる。

【写真】村上でも岡本でもない、他球団の首脳陣が語る「最も嫌な4番打者」はこちら

 その筆頭はやはり村上宗隆ヤクルト)になるだろう。2022年には22歳という史上最年少での三冠王に輝くなど大活躍を見せ、そのオフには年俸6億円での3年契約という超大型契約を結んでいる。さらにその際には3年契約が切れる25年のオフにはポスティングシステムを利用してのメジャー移籍も容認されたと報道されており、昨年の契約更改の席でも村上自身の口から「(2025年が)日本でプレーする最後のシーズン」というコメントも聞かれた。

 しかし今シーズンは、上半身のコンディション不良で出遅れて開幕一軍メンバーから外れると、4月17日の阪神戦で一軍復帰を果たしたものの、その試合中に故障が再発。途中交代となり、わずか1試合の出場で登録抹消となったのだ。6月に入ってからようやく屋外での打撃練習を再開しているが、いまだに実戦に復帰することができておらず、前半戦での一軍昇格は絶望的と見られている。

 そしてもう一つ気になるのが三冠王を獲得して以降の成績だ。2023年は31本塁打、2024年も33本塁打を放っているが、打率は年々低下している。2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも準決勝では逆転サヨナラタイムリー、決勝戦ではホームランを放って優勝に貢献したものの、大会全体を通じては打率.231と決して満足のいく数字ではなかった。そのような状態に加えてコンディション面でも不安があるとなればメジャー側からの評価が下がることも十分に考えられる。残りのシーズンで満足なパフォーマンスを見せることができなければ、もう1年残留という可能性もありそうだ。

次のページ 岡本はアクシデントで離脱中