もう1人想定外の事態に陥っているのが岡本和真(巨人)だ。これまでホームラン王を3回、打点王を2回獲得しており、村上らとともに出場した2023年のWBCでも打率.333、2本塁打の活躍でチームの優勝に大きく貢献した。WBCでの活躍が自信となり、メジャー志向も強いと見られている。
しかし、今シーズンも開幕から不動の4番として活躍していたが、5月6日の阪神戦での一塁守備で走者の中野拓夢と接触して左肘の靭帯を損傷。翌日には登録抹消となり、村上と同様にリハビリ生活を余儀なくされているのだ。ただ、村上と大きく違うのはコンディション不良ではなく、アクシデントによる怪我という点ではないだろうか。またここ数年の成績を見ても、村上と比べると安定した数字を残し続けているというのもプラス材料だ。これまで巨人は基本的にポスティングシステムでのメジャー移籍を認めていなかったが、その制度に反対していた渡辺恒雄オーナーが亡くなったことで、方針が変わることも十分に考えられる。
後半戦から復帰すれば、今期中には国内FA権を取得すると見られているだけに、順調な回復ぶりを見せれば一気にメジャー移籍が加速することも考えられるだろう。
一昨年のオフにメジャー移籍を訴えながら、残留となったのが高橋光成(西武)だ。昨年は0勝11敗と大きく成績を落とし、ポスティングシステムでの移籍を封印して残留。しかし再起をかける今シーズンもここまで2勝にとどまっており、防御率は2点台とそこまで強いインパクトを残すことができていない。
同僚である今井達也、隅田知一郎と比べるとあらゆる点で物足りないのは確かで、メジャー側の評価もそれほど高くなることは考えづらい。昨年オフに海を渡った小笠原慎之介(ナショナルズ傘下マイナー)、青柳晃洋(フィリーズ傘下マイナー)が苦戦しているのを見ても、このままの状態では好条件の契約は難しい可能性が高そうだ。
村上、岡本のように直近ではないと見られるが、ここ数年以内にメジャー移籍が噂されていた選手も苦しんでいる。その代表例が戸郷翔征(巨人)と高橋宏斗(中日)の2人だ。