ともに2023年のWBCでは投手陣の一角として活躍。高校からプロ入りし、早くから主戦投手となったことで、ダルビッシュ有(パドレス)や山本由伸(ドジャース)のように若い年齢で大型契約を結ぶことも十分に狙えると見られていた。しかし戸郷は開幕から打ち込まれる試合が続き、4月12日には登録抹消。調整を経て一軍に復帰し、5月25日のヤクルト戦では今シーズン初勝利をマークしたものの、昨年までと比べるとかなり物足りない投球となっているのが現状である。
一方の高橋宏斗も昨シーズンは球団記録となる防御率1.38をマークするなど大活躍を見せたが、今年はここまで12試合に登板して2勝6敗、防御率3.26(6月16日現在)と目立った成績を残すことができていない。戸郷ほど大きく調子を落としているわけではないものの、昨年のような支配的な投球が見られないのは心配だ。このままの状態が続くようだと、メジャー側の評価も下がることになりそうだ。
FA権を行使して国内の他球団に移籍することも大きなステップアップだが、金額などの条件面を考えるとメジャーへの移籍はそれを遥かに上回るビッグチャンスであることは間違いない。そしてその条件はやはり直近の成績が大きく影響していることは確かだ。ここから残りのシーズンで今回名前を挙げた選手たちがどこまで調子を上げることができるのか、引き続き彼らのプレーぶりに注目したい。
(文・西尾典文)
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