
6球団は1位指名する可能性が高い
今年は二塁を守っているが、本職は三塁だ。複数のポジションを守れることも評価を高めている。アマチュア担当のスポーツ紙記者は「巨人、ヤクルト、阪神、中日、西武、楽天の6球団は1位指名の可能性が高い」と予測する。
「巨人は岡本和真、ヤクルトは村上宗隆が今オフにメジャー挑戦の可能性があるため、4番の後継者としてのどから手が出るほど欲しいはず。阪神も投手陣は盤石なので1位指名が確実視されます。中日は先発陣に20代の投手が少ないですが、三塁を守る石川昂弥が伸び悩み、貧打が長年解消されていない状況を考えると、補強ポイントとして立石の優先度が高い。同じく西武、楽天も三塁を守る右の長距離砲がほしい。今秋のドラフトでは、昨年のドラフトで4球団が競合した金丸夢斗(中日)のようなズバ抜けた投手が見当たりません。この状況も立石に1位指名が集中する理由です」
他の球団も、立石を1位指名する可能性がある。ロッテは三塁のレギュラーを固定できず、DeNAも三塁を守るベテラン・宮崎敏郎の後継者を作らなければいけない。二塁を守る牧が三塁にコンバートされる可能性があるが、立石は二塁を守れるため獲得に乗り出すことが考えられる。ソフトバンクは投打に充実した戦力で、20年以降は5年連続で高卒の選手をドラフト1位で指名している。正木智也、笹川吉康、石塚綜一郎ら将来を嘱望される長距離砲がいるが、現有戦力に刺激を与えるためにも久々に即戦力の大卒スラッガーを1位指名するかもしれない。
ほかにも今秋のドラフトでは、最速154キロの高校生№1投手・石垣元気(健大高崎)、剛速球右腕の堀越啓太(東北福祉大)、「打てる捕手」の小島大河(明大)、先発で総合力が高い伊藤樹(早大)や中西聖輝(青学大)らが1位指名の有力候補になる。
アマチュア球界を取材するライターは「石垣は将来のエースになれる素材です。北海道出身なので日本ハムの動向が注目されます。堀越は先発より救援に適性があるように感じます。救援陣に不安を抱える球団は欲しい投手でしょう。小島、伊藤、中西は即戦力で1本釣りを狙う球団が出てきても不思議ではない」と分析する。