浅村が“産みの苦しみ”を乗り越えて2000安打を達成
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 5月24日、プロ野球にまた新たな大記録が生まれた。浅村栄斗(楽天)が楽天モバイルパークで行われた日本ハムとの試合で第1打席にライト前ヒットを放ち、プロ野球史上56人目となる2000本安打を達成したのだ。本拠地での達成ということもあって、この偉業には大歓声があがった。

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 浅村の記録が注目された一つの要因としては、平成生まれの選手として初めての達成だということが挙げられるだろう。これからはもちろん平成生まれの選手が記録を達成していくことになるが、候補者の現状を見るとその道は険しいことがよく分かる。

 現在、平成生まれで浅村の次にヒットを打っているのは丸佳浩巨人)で通算1843安打となっている。昨年は146安打を放っていることからも、記録達成は濃厚と見られていたが、今年に入って雲行きが怪しくなってきた。キャンプから下半身のコンディション不良で出遅れており、今シーズンはここまでわずか1安打に終わっているのだ。チームを見ても新外国人のキャベッジが好調で他にもヘルナンデス、若林楽人、浅野翔吾、萩尾匡也など外野のレギュラー争いは激化している。27日の試合でキャベッジが途中交代したこともあって、これから丸の出番が増えることにはなりそうだが、ここでしっかりレギュラー復帰を印象付けないと、ベンチで過ごす日々が多くなる可能性は高そうだ。

 丸に次いで大記録達成に近いのが菊池涼介(広島)で、現時点で1737安打を放っている。昨シーズンまで12年連続で100安打以上を放っていることもあり、達成の可能性は高そうだが、近年はコンディション不良などで欠場する試合が増えていることが気がかりだ。また昨年は矢野雅哉、今年は二俣翔一、ルーキーの佐々木泰などが台頭してきており、このままレギュラーの座も安泰とは言えない状況となっている。まだまだ高い守備力は健在だが、バットでもしっかりアピールする必要があるだろう。

 ここまで挙げた2人以上に厳しそうなのが現在1591安打の山田哲人(ヤクルト)だ。かつてはトリプルスリーを3度達成するなどチームの顔とも言える存在だったが、過去2年間は故障もあってシーズン100安打をクリアすることができていない。今年もここまで打率.210とさらに成績を落としている。ヤクルトは生え抜き選手に対して優しい球団として知られ、FA権を取得しながら残留した功労者である山田に対しては大記録達成をアシストすると思われるが、このままの状態が続くようであれば、2000本に届かずにユニフォームを脱ぐという可能性もありそうだ。

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