巨人・長野久義の“縁の下の力持ち”としての存在感は今季も健在だった。39歳となり、かつてのようなプレーは期待できないが、「チームへの貢献度」は計り知れないものがあるという。
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巨人は今季、クライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージでDeNAに敗れたものの、4年ぶり39回目のリーグ制覇を果たした。そんな中で大ベテランはチームの潤滑油的な役割を果たし、フォア・ザ・チームの精神でグラウンド内外で勝利に貢献し続けた。
「チョーさん(長野)は試合に出られなくても不満を一切出さずに前向きに取り組んでいる。明るい性格で人当たりも良く、若手や外国人選手の相談相手にもなる。成績関係なく絶対にベンチにいてくれないと困る存在」(巨人関係者)
2009年のドラフト1位で巨人に入団以降、新人王(2010年)、首位打者(2011年)、最多安打(2012年)、そしてベストナインとゴールデングラブ賞を3回ずつ受賞。走攻守の三拍子がそろい、勝負強さも併せ持ったスター選手だ。広島に移籍した2019年以降はレギュラーとして過ごしたシーズンこそないが、大ベテランになった今もチームに必要とされるには理由がある。
「野球選手は多かれ少なかれエゴが強く、それを消すのは大変なこと。(長野は)タイトルをいくつも獲得した看板選手なのに、現在の立ち位置を理解して行動してくれている姿には本当に頭が下がる」(巨人OB)
今季は出場54試合で打率.258(89打数23安打)、14打点。代打での打率(30打席以上)はセ・リーグ3位の.273(33打数9安打)で、9月22日の阪神(甲子園)との首位攻防戦でマルチ安打を放つなど、大事な場面でも存在感を示した。決して突出した数字はないものの、重要な役割を果たしている。
巨人への強い思いは誰にも負けない。ドラフトで2度にわたって他球団からの指名を断り入団した経緯もある。2018年オフにはFAで加入した丸佳浩の人的補償で広島に移籍、4年間プレーした後に無償トレードで昨年から古巣に復帰した。