今春の各大学の就職状況が明らかになった。人口減による「売り手市場」が続く中、どの大学の学生が、どこに就職しているのか。AERA 2024年10月21日号より。
【表】人気企業110社が採用したい大学は? 就職者数はこちら(全9枚)
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2025年春に卒業予定の大学生・大学院生の内々定率は89.8%(前年比3.3ポイント増)、3社以上の内々定を持つ学生は44.1%(前年比1.2ポイント増)に上る(マイナビ9月調査)。
前年と変わらぬ「売り手市場」が続くが、実際にどの大学の学生が、どの企業に就職しているのか。
アエラは大学通信の協力を得て、24年3月卒の51大学の学生が、人気企業110社に就職した人数を表にまとめた。大学通信の情報調査・編集部部長の井沢秀さんは言う。
「引き続き人気のIT企業は国立大が強い傾向です。理系学部の規模が大きいのが理由です。私立大でも、理系に強い大学からの就職者も多いです」
例えば、NTTデータは国立大は大阪大43人を筆頭に、東大27人、東北大25人、京大と北海道大で15人ずつ採用。楽天グループの最多は早大の36人だったが、東大からも34人を採用している。
外資コンサル採用多数
昨年に引き続き、文理問わず大人気かつ採用数の多さが際立つのは、大手外資系コンサルだ。アクセンチュアは、早大、慶大から各100人、東大は66人を採用。京大と並び、GMARCHの一角である明治大からも36人を採用しているのが目をひいた。
ただ、旧帝大の北海道大、東北大、名古屋大、九州大は10人台にとどまった。井沢さんはその理由をこう解説する。
「地方の旧帝大は地元に根差した企業の就職者数上位になるという性格があります。例えば、名古屋大ならデンソー、トヨタ自動車の就職者数が上位です」
今年の就職戦線のトピックのひとつは、コロナ禍を経て、エアライン系が復活したことだ。 新卒採用人数を増やした全日本空輸は、早大が20人(昨年のアエラの集計では5人)、慶大は23人(同10人)まで増加。また、青山学院大、上智大、日本大、関西学院大から16人以上の学生が就職している。日本航空でも、昨年は早大から25人だったが、今年は36人まで増えている。