他国からの攻撃を防ぐために各国が設けている「防空識別圏」の考え方は、人間関係にも応用できると、Xフォロワー約30万人の元自衛官ぱやぱやくんは語ります。すぐに心を開かず、相手を見極めるための時間を設けることの重要性を、自衛隊の経験をもとに解説。人間関係での「領空」を守る方法を、著者の最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』から抜粋・再編集してお届けします。
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世界中の国々は、他国からの侵攻を常に警戒しています。
陸はもちろん海や空から、敵対する国から急な攻撃を受けないように、各国は備えているのです。特に、空については「防空識別圏(ADIZ)」を設けています。
この識別圏は、国際法で明確に定められた警戒ラインではありません。つまり、各国が独自に制定している警戒ラインであり、領空とは異なります。
防空識別圏に飛行機が入ってきた際には、まず「どこの国の飛行機か」「領空侵犯する意図はあるか」などの判断をします。その後、防空識別圏内に入った航空機を警告するために、戦闘機の緊急発進(スクランブル)などの対応を行います。
もしもその警告を無視して領空にまで入ってきた場合には、ミサイルなどを用いて、敵機を迎撃します。
私が人間関係に悩む人にぜひ取り入れて欲しいと思っているのは、この「領空」と「防空識別圏」という考え方です。
人間関係においても、このように誰かを受け入れるかどうかを判断できるようにしましょう。たとえば、他人と関係性を構築するうえで、どうしても自分自身の気持ちや本音などをさらしたくなるときがあります。
しかし、そのようにするのはある種の賭けでもあります。あなたのことをすごく否定してくる人かもしれません。
このようにあなたが、本当に傷つく可能性がある領域(=領空)まで、他人を入れる前に、その人が「敵」か「味方」なのかを見極める期間を作ってみましょう。