ぱやぱやくん最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』より(イラスト:なかきはらあきこ)
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 人間関係をスムーズにするには、適度な距離感とともに、組織内で「キーマン」を見抜く力が重要です。Xフォロワー約30万人の元自衛官ぱやぱやくんが、軍隊での経験をもとに、「キーマンを見抜く」ことの大切さとその方法を語ります。役職や序列にとらわれない、組織の真の中心人物とは誰か? その見極め方を、著者の最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』から抜粋・再編集してお届けします。

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 意識を低く生きるためには、ときには、適度な距離感を保ちつつ、人間関係を上手く回す必要があります。そして、これはなかなか難しいことでもあります。

 そのようなときに使えるコツとして、「キーマンを見抜く」ことが挙げられます。

 キーマンとは「組織の中心人物」のことです。勘違いして欲しくないのは、こうした人物は、役職や序列などの組織内のヒエラルキーとは関係ないということです。

 一般企業で例えるならば「部長よりもなぜか権力を持っていそうな平社員」っていたりしませんか。私が「キーマン」と呼ぶのはこういう人です。
 

 なぜ「キーマンを見抜けると良いのか」について、軍隊を例に説明しましょう。

 軍隊の構成は、大きく分けて「兵(ただ戦闘をする人)」「下士官(数人規模で指揮を執る人)」「士官(部隊全体の指揮を執る人)」に分かれています。

 階級の序列で見れば、士官が高く、兵が低くなります。

 ただ、士官学校を出たばかりの「新米将校」が部隊に着任したとしても、その命令がきちんと伝わるかと言えば、そんなことはありません。

 理由は単純で、「階級は高くても、実務経験がゼロ」だからです。

 なので、新米将校が行うのは「部隊のキーマン」を探して、その人と心を通わせることだと言われています。
 

 ちなみに、自衛隊でキーマンになりがちなのは「30代半ばの体力と経験のある中堅下士官」もしくは「40代後半のベテラン下士官」のいずれかの可能性が高いです。
 

 こうしたキーマンと仲良くなることで、部隊は急に回り出すのです。

 なぜなら新米将校が頼りなかったとしても、「この人がサポートしているなら、大丈夫だろう」と思ったメンバーは指示に従うからです。

 つまり、単純な役職や序列ではなく、「誰が中心人物なのか?」と見抜く眼を備える必要があるのです。

 もしその人と心を通わせることさえできれば、組織での人間関係は、意外となんとかなってしまうものなのです。

 こうした人を仲間にすることができれば、人間関係は狭くても問題ないのです。
 

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キーマンを見抜く「練習問題」