現在最も多くのプロ野球選手を輩出している高校はどこか?現役選手を対象にランキングを作成すると、1位は大阪桐蔭の22人(メッツ・藤浪晋太郎も含む)。以下2位・横浜(20人)、3位・広陵(14人)、4位・花咲徳栄(13人)、5位・東海大相模(12人)と続く。それでは、これらの高校出身のプロ第1号は誰だろうか?
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中村剛也(西武)、中田翔(中日)、浅村栄斗(楽天)、森友哉(オリックス)ら、各球団の主力がズラリと顔を並べる大阪桐蔭。プロ1号は、同校が大阪産業大高大東校舎から大阪桐蔭に校名が変わった1988年のドラフトで中日に1位指名された今中慎二と、もう一人、日本ハムにドラフト外で入団した桐山明佳のバッテリーだ。
中学時代はさほど実績がなく、「地元の公立校へ行って、中学時代の仲間と楽しく過ごしたかった。当時、僕はそれほど野球が好きだったわけではない」(自著「悔いはあります。」 マサダ)と回想する今中だが、「それでもどういうわけか」強豪校への入学が決まり、当初は自宅通学組ながら、左腕を好む山本(鶴岡)泰監督に重用されるうち、プロ注目の速球投手へと成長した。
1年秋の府大会では、立浪和義(現中日監督)らを擁し、翌年春夏の甲子園で連覇したPL学園を相手に0対1と善戦。最後の夏は15三振を奪いながら、初戦でまさかの延長サヨナラ負けを喫したが、その後も全12球団のスカウトが相次いで来校するなど、高い評価を受け、最終的に一番熱心に誘ってくれた中日を選んだ。
同年のドラフトで、中日はこれまでの慣例から練習生として入団させた大豊泰昭を1位指名するとみられていたが、2位以下での獲得が難しいと判断した星野仙一監督が、あえて大豊を2位に回し、今中を1位指名したエピソードも知られている。
その期待に応え、高卒1年目に1軍デビューをはたした今中は、93年に17勝を挙げて最多勝に輝くなど、二桁勝利6回、通算91勝を記録した。
一方、高校時代に主将を務めた桐山は、層の厚い1軍捕手陣の壁を破ることができず、1軍出場のないまま、92年限りで引退。ブルペン捕手になった。