初年度納付金とは、大学1年次に支払う入学金や授業料などをさし、施設設備費、実習費も含まれる。
私立大学のおもな学部の初年度納付金の平均額は次のとおりだ。
文・教育:121万1021円
法・商・経済学:118万4403円
理・工学:148万1090円
医学:507万9434円
(2023年度。文部科学省「私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額〈定員1人当たり〉の調査結果について」)
国立大学も値上げの傾向に
学費値上げは私立大学だけの話ではない。
国立大学の初年度納付金は標準額として81万7800円(入学料28万2000円、授業料53万5800円)である。これはあくまでも「標準」であって、各大学は120%を上限に授業料を引き上げることができる。
2010年代後半以降、いくつかの国立大学が授業料を値上げしている。
2019年 東京工業大、東京芸術大
2020年 東京医科歯科大、一橋大、千葉大
2024年 東京農工大
このうち東京工業大は63万5400円で、ほかは上限120%いっぱいの64万2960円まで引き上げた。
なお、現在、東京大も64万2960円への値上げを検討している。さらに広島大、熊本大も同様な動きをみせている。
学生、保護者にとって学費の値上げは厳しい。では、学費が安い大学はどこか。『大学ランキング 2025』では、初年度納付金が安い大学ランキングを紹介している。
法学部、経済・経営・商学部、文・外国語学部いずれもトップは沖縄国際大である。地元の高校教員からは「沖縄の経済事情に合わせて学費を抑えてくれているのではないか」と歓迎されている。
経済・経営・商学部の上位20校を地域別でみると、九州・沖縄9校、関西6校、北海道2校、東海1校、関東1校、四国1校となっている。西日本の大学が安い。関東の大学は学生にあまりやさしくない。
工・理工学部では豊田工業大が長年、トップを守っている。
同大学はこう誇っている。
「【国公立大学並みの学費で経済負担を軽減】本学では、トヨタ自動車より財政的支援を受けており、授業料は年額60万円に設定されています。初年度学納金は、授業料に加えて入学金(28.2万円)、教育充実・環境整備費(10万円)を合わせて約98万円。2年次以降の学納金は年額70万円です」(大学ウェブサイト)