たとえば以前少しお話ししたことのある、私より五つほど年上のおねえさんは、結婚相手が超人気のバンドマンで、経験人数はそれこそ四桁に届くようなお方。それだけ色々な方とお付き合いのあった男ならば、さぞかし心配になったり過去の関係が気になったりしませんか、と尋ねたところ、やはり最初のうちは彼と噂のあった美女が気になってしまったり、今でも連絡をとっている元セフレがいるのではないかと疑心暗鬼になったりしたらしいのです。

 しかしある時、「千人近くと経験があるということは、美女もいただろうけどその逆みたいな人も絶対いるし、ものすごく毛深い人とか太った人とか体臭がきつい人とかいろんな人を抱いてきただろうから、今後私がどんな姿になろうがどんな臭いになろうが、ドン引きしないであろう。そういう意味で、千人の女たちが彼を慣らしてくれていてよかったかもしれない」という事実に思い当たり、なんだか過去が気にならなくなったそうです。

 あるいはメディアにも露出するイケメン社長と結婚したとある知人女性は、彼の女癖の悪さやこれまでの女性遍歴で悩みたくなかったために、とにかく本妻がいかに有利であるか、財産分与や相続や不倫裁判などあらゆる事例を研究し、心の平穏を保っていると話していました。確かに、お妾なんていう慣習が横行していた頃や、愛人を堂々と持つ男が多かった時代の本妻たちは、お妾や愛人と自分の立場をはっきりと区別することで心的余裕を獲得していたのかもしれません。

歌舞伎町で働く鈴木さんの夫

 私の夫ももともとは人気ホストだったので、経験人数なんかは怖くて聞いたこともないですが、それはそれは古今東西の色んな美女とのめくるめく恋模様はあったのだと思いますし、今も歌舞伎町で働いているわけですから、きっと私に知られれば何かと不都合なひと時もあるのだろうと推測します。付き合って間もない頃は気になることも多かった気がしますが、おそらく時間をかけて誠実であることを証明してくれたからか、今はあまり不安にさいなまれることはありません。

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