元カノや学生時代の女友達が気に食わないという人はとりわけ多く、場合によっては愛人や浮気相手、結婚後に一晩をともにしちゃったキャバ嬢よりも、元カノや古い友達の方が嫌だ、と心穏やかでいられない人もいるくらいです。

 私もかつて恋愛コラムなどをよく書いていた頃、どうして我々はこんなにも彼氏の元カノが嫌いなのか問題についてはアタマを悩ませていたものです。おそらく今現在、夫や恋人と想いが通じ合って盛り上がって色々なものが手に入って、もしかしたら彼の未来をすべて共有できるかもしれない状態にあったとしても、過去だけは手に入らないことが一因ではないかと思うのです。

元カノが気になるのは“贅沢病”

 たしかに彼の現在や未来は今後の相性や努力次第で私たちのものになる可能性はありますが、たとえば出会ったのが大人になってからだとすると、高校時代の彼との甘酸っぱい一コマだとか、大学時代の貧しい同棲生活、若いゆえに楽しくって刺激的な夜遊びデート、みたいなものはどうしたって手に入れることができません。

 そして恋愛というのが、無理と分かっていても相手のすべてを欲しくなってしまうというやっかいなものである以上、一番手に入らないもの、そして別の誰かが持っていたものというのはとても歯がゆい欲望の対象なのではないでしょうか。要は、元カノや古い女友達が気になる病というのは、今現在や未来についてかなり満たされている状態であればこそ症状があらわれる、ある意味たいへんな贅沢病とも言えるわけです。

 さて、別に原因を分析したところで、気になっちゃう気持ちや気に入らなくていらいらする夜が解消されるわけでもないものです。折り合いの付け方というのは人それぞれ、しかしいくつかパターンがあると思います。私が元カノや古い女友達が気に食わないのはきっと今がとても満たされているからだ、と気持ちを整理してなんとかなるのは第一段階。なかなかそれでは気が収まらない場合には先人の知恵を借りつつ自分なりのストレス軽減の方法を考えるしかないのでしょう。

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