※写真はイメージです(gettyimages)

 小林製薬の紅麹サプリをめぐる問題は、健康意識が高い人こそ陥りがちなリスクを浮き彫りにした。仕事だけでなく食事や健康にまでタイパが求められる時代。サプリに頼りがちな人は多いが、本当に身体に良い食生活や生活習慣とはどんなものだろうか。AERA 2024年5月13日号より。

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 小林製薬(大阪市)が機能性表示食品として販売した紅麹(こうじ)サプリメントをめぐる被害は、健康や食生活に関するリテラシーの大切さをあらためて浮き彫りにした。今回の事態を受け、アエラが実施した緊急アンケートでも、紅麹サプリを購入・使用した当事者から後悔や疑心暗鬼の声が寄せられた。

「サプリのリスクは全く考えておらず、紅麹の報道が流れた時はゾッとしました」

 こう振り返るのは、2022年に同社の「紅麹コレステヘルプ」を使用していた埼玉県の会社員男性(59)だ。

「安易にサプリ」で被害

 使用を始めたのは勤務先の健康診断で総コレステロール値が基準値を超えたのがきっかけ。医師から「このままだと投薬治療が必要」と指導を受けたが、男性は高血圧の薬を服用しているため、薬の種類や量を増やしたくないと考え、サプリの購入を検討。ドラッグストアで目に付いたのが悪玉コレステロールを下げるとうたう「紅麹コレステヘルプ」だった。健康被害の報道を目の当たりにして「安易にサプリに手を出すのはよくない」と痛感した男性は、こう訴える。

「機能性表示食品がどれだけ業界の利益を生むのか分かりませんが、今回のような事態を招いた以上、制度の見直しは必須だと思います」

 東京都が5年ごとに実施している「都民の健康と医療に関する実態と意識」の19年度の調査結果によると、サプリを含む健康食品のイメージについて「栄養補給に必要」と回答した人は4割を超えた。他に「有害な作用がなく、安心である」(26.7%)、「病気の予防や治療につながる」(25.8%)などの肯定的な回答が上位を占める。一方、「信用できない」は17.8%にとどまっている(いずれも複数回答)。

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渡辺豪

渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

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