ポトフに良油脂であるオリーブオイルをプラスすると食後高血糖をより予防しやすくなる【朝食】 豚肉とキャベツときのこのポトフ、低糖質シュークリーム、ヨーグルト、カフェオレ

「ヘルシーでスタイリッシュな朝食の代名詞として、シリアル+低脂肪乳+はちみつの組み合わせをSNSなどでよく見かけますが、血糖値の急上昇を招きかねません」(山田医師)

 シリアルは糖質たっぷりなのが一般的。低脂肪乳は脂質とたんぱく質を摂取できる牛乳のメリットを打ち消すうえ、主成分が果糖やブドウ糖のはちみつは高糖質だからだ。

 たんぱく質を手軽に摂取でき、腸内環境にも良い発酵食品のヨーグルトも「低脂肪ヨーグルト」だと、栄養源になる乳脂肪が含まれず、砂糖や果物が添加されている商品が多いため糖質を増やしてしまう。ただし、人工甘味料はOK。血糖を上げる糖質を含んでいないからだ。

 小麦粉よりも全粒粉のパンを選ぶのもほぼ無意味だという。全粒粉は小麦の表皮、胚芽、胚乳をすべて粉にしたもので「低糖質」ではないからだ。小麦の麺ではなく、「そばならOK」というのも誤り。そばやそば湯には糖質が多く含まれ、食後高血糖を招くという。

 健康意識の高い人が陥りがちな食生活のリスクや勘違いは他にもある。

 健康に良いイメージのある「とろろそば」も、とろろ芋が糖質豊富なため、そばととろろの「糖質かぶせ」になる。そば屋では、糖質がゼロの蒸留酒(焼酎、ウイスキーなど)をちびちびやりながら卵焼きや湯葉などをつまみ、締めにそばを注文するのがいい。というのも、お酒は食事と一緒に飲むと血糖値上昇が抑制される、との研究結果も出ているからだ。

 高たんぱくな「サラダチキン」にも落とし穴がある。たんぱく質だけを食べてもエネルギー摂取が不足すると、せっかく食べたたんぱく質が破壊されてエネルギー供給に回され、筋肉などの細胞の材料にならないからだ。サラダチキンだけで済ませるのではなく、脂質をプラスして食べることで食後高血糖を抑えられる。

和食に多い“隠れ糖質”

 洋食に対してヘルシーなイメージの強い和食に多いのが「隠れ糖質」。みりんや砂糖といった調味料は糖質が多く含まれるため、主食のご飯と合わせて食べると糖質過多を招く。塩分が多く、脂質に乏しいのが和食の特徴。日本人は世界的にも「たんぱく質不足」で「糖質過多」の傾向が強いという。山田医師は、こう推測している。

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