少し左肩の開きが早いのは課題だが、上半身も下半身もたくましく、力強い腕の振りは抜群。最速が速いだけでなく、コンスタントに145キロを超える出力の高さがあり、佐野日大戦は11個の三振全てが空振りと、ボールの質の良さも目立つ。5月18日に開幕する関東大会でも高い注目を集めることは間違いない。

 井上も九州大会で最速151キロをマークして注目を集めた本格派右腕。身長は175cmと投手としては上背がある方ではなく、少し上半身が強いフォームは気になるものの、出力の高さは大きな魅力だ。変化球の精度や、投球術がレベルアップしてくれば、さらに評価を上げる可能性は高いだろう。

 野手では龍山暖(エナジック・捕手)と斎藤大翔(金沢・遊撃手)の2人がこの春浮上してきた。龍山が所属しているエナジックは今年が創部3年目ながら、春の沖縄県大会で優勝。九州大会では初戦で優勝した明豊(大分)に敗れたものの、0対2と善戦している。龍山の魅力は何よりもその肩の強さで、2.00秒を切れば強肩と言われるイニング間のセカンド送球で、明豊戦では最速1.80秒をマークした。タイムだけでなく、ボールの勢いも圧倒的なものがあり、視察したスカウトからも肩だけなら高校ナンバーワン捕手と見られている箱山遥人(健大高崎)を上回るという声も聞かれるほどだった。九州大会では7番だったが、普段は中軸を打つ打撃もパンチ力があり、積極的に次の塁を狙う走塁も魅力だ。

 斎藤は北信越で注目を集めているショート。特に脚力は抜群で、8.00秒を切れば俊足と言われるツーベースの二塁到達タイムは右打者ながら7.78秒を記録している。流れるようなフットワークと、速くて正確なスローイングも高校生とは思えないレベルにある。打撃は少しリストの強さに頼り過ぎて引っ掛けることが多いのは課題だが、昨年夏の石川大会で3本塁打(うち1本はランニングホームラン)を放っているようにパンチ力は申し分ない。春の県大会では準々決勝で日本航空石川に延長戦の末に敗れて北信越大会出場を逃したが、ホームランを含む3安打を放ち存在感を示した。

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下級生では“来年の目玉”になり得る投手も