オフにエンゼルスからドジャースに移籍した大谷翔平

 2018年から大谷翔平が6年間在籍したことで日本でも注目されるチームとなったエンゼルス。オフに去就が注目された大谷はチームへの愛着があることで残留の可能性も報じられたが、結果的に10年総額7億ドル(約1051億2000万円)という歴史的な超大型契約でドジャースへの移籍となった。

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 大谷が去ったエンゼルスは2014年を最後にプレーオフ進出もなく、昨シーズンもア・リーグ西地区4位(73勝89敗)。現有戦力を考えても“再建”のタイミングであるのは間違いないだろう。

 昨年の成績を振り返っても投打ともに他チームに見劣るのは明らか。チームの本塁打数(231)はタイトルを獲得した大谷がいたこともありア・リーグ15チーム中3位と順位は高いが、得点(739)は9位、安打数(1346)は8位、盗塁(72)は最下位。また、投手力もチーム防御率(4.64)が12位と投打に課題が多い。

 そんな中で、投打の主軸だった“二刀流”の大谷が抜け、上記の数字がさらに落ちるのは言うまでもない。

 だが、チームのペリー・ミナシアンGMは大谷のドジャース移籍が決まった後に「このオフシーズンはアグレッシブに攻める」と積極的な動きにでることを示唆。あくまで今年も頂点を狙う姿勢を見せていたが、ここまで目立った選手の獲得はない。

 強いて挙げれば、先発ではインディアンス(現ガーディアンズ)時代の2021年に10勝をマークしたザック・プリーサック、リリーフでは昨季レイズで42試合の登板で防御率2.35と安定感を見せたロバート・スティーブンソン、打者では通算716安打、108本塁打のベテラン、アーロン・ヒックス外野手ぐらいのもの。

 現地でのパワーランキング(各チームの戦力値)でも軒並み低評価が目立つ。

 メジャーリーグの公式サイト『MLB.com』が年始に発表したものでは30チーム中24位、『ESPN』では25位、『CBS Sports』では25位、『USA Today』では24位と、どのメディアでもかなり低い評価となっている。多くのメディアが大谷を失ったインパクトの大きさと、このオフの補強は十分ではないと分析し、26位の評価を下した『Bleacher Report』はローガン・オホッピー捕手、ノーラン・シャヌエル、ザック・ネト両内野手ら若手が育って将来的に勝つためのステップになれば良いと、今季はあくまで再建期という位置づけだとしている。

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全く“未来”の見えないエンゼルス…