また、これは長らく指摘されているがメジャーデビュー前の有望株の数も他球団に明らかに劣っている。『ESPN』が今月初めに掲載したファームシステムのランキングでは最下位。昨シーズンのトレード期限前にプレーオフ進出を目指し、ルーカス・ジオリト投手(現レッドソックス)らを獲得するために、プロスペクトだったエドガー・クエロ捕手を失ってしまったことにも言及している。

 エンゼルスの現状を考えると、主力のマイク・トラウト外野手も怪我がちで今ではメジャー最高のプレイヤーとしての存在感はなく、大型契約で獲得したアンソニー・レンドン内野手も不良債権化。先発投手でエースと呼べる存在はおらず、弱点のブルペンも多少の補強はあったが、大きな違いを生みだすようなものではない。さらに傘下のマイナーにもトッププロスペクトと言える選手は皆無である。

 このような全く“未来”の見えない状態にファンは憤っている。日本でも勝てない時期が続くとファンから同じような意見が出てくるが、今エンゼルスファンの声で最も大きいと思われるのが「球団を身売りしてくれ」というもの。オーナーのアルテ・モレノ氏も2022年に球団を売却する手続きをしたことを発表したが、昨年1月にはそれを撤回。そして、最近には売却どころか長期の保有も示唆しており、ファンたちからは“強い不快感”が出ている。

 米国の掲示板サイト『Reddit』では、現地の野球ファンが様々なトピックについて話し合っているが、モレノ氏については、エンゼルスファン以外からもネガティブな意見が飛ぶほどだ。

「大谷は出て行く前にトレードすべきだったんだ。アルテは野球界で最も愚かなオーナー」

「自分はまだエンゼルスを愛しているけど、アルテがオーナーとして居座るチームを気の毒に思う」

「彼がオーナーでいる間は、(エンゼルスの)グッズやチケットにお金を使うのは拒否させてもらうよ」

「彼とレンドンが同じチームだなんて、これ以上悪いペアはないよね」

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今のエンゼルスにファンはうんざり!