「自律神経の老化」が命にかかわる病気の原因にも

 自律神経の老化は、命にかかわる重大な病気につながることもあります。

 厚生労働省が発表した、2022年の「人口動態統計」によれば、日本人の死因トップ5は以下のようになっています。

・1位 悪性新生物(がん)……24.6パーセント

・2位 心疾患……14.8パーセント

・3位 老衰……11.4パーセント

・4位 脳血管疾患……6.8パーセント

・5位 肺炎……4.7パーセント

 このうち2位の心疾患と、4位の脳血管疾患は、血管に由来する病気です。自律神経は、この血管の病気に大きく関わっているのです。

 自律神経には心臓を動かす、食べたものを消化するなど、さまざまな重要な役割がありますが、その中の一つに「血流のコントロール」があります。

 アクティブに活動しているときは交感神経が優位になり、血管が収縮して血圧が上がります。逆に、リラックスしているときは副交感神経が優位になり、血管が拡張して血圧が下がります。

 ところが、自律神経が老化すると副交感神経の働きが低下するので、つねに血管が収縮した状態になり、血圧は上がったままになります。そんな状態が続けば、当然、病気になってしまうでしょう。

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