また、血流は私たちの体の約37兆個の細胞がきちんと機能するように、酸素と栄養を運ぶ大切な役目をしています。しかし、血流が低下することで、すみずみまで酸素と栄養が行き渡りにくくなります。
さらに血流には、体にたまった老廃物や疲労物質、よけいな水分、とりすぎた塩分などを回収するという役目もあるのですが、それもうまく機能しなくなります。こうして、さまざまな病気を招いてしまうのです。
ちなみに、血管が原因で起こる病気には、次のようなものがあります。
・脳……脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳血管性認知症など
・心臓……狭心症、心筋梗塞など
・胸部……肺血栓塞栓症、急性大動脈解離、胸部大動脈瘤など
・腹部……腹部大動脈瘤、腎硬化症、急性腎不全、虚血性大腸炎など
とくに注意していただきたいのは、夕方の時間帯です。
交感神経と副交感神経は、1日2回、朝と夕方に切り替わります。朝起きたら交感神経のスイッチが入り、副交感神経が下がる。夕方になると副交感神経のスイッチが入り、交感神経が下がる。本来、人間の体はこのようにできています。
しかし夕方、副交感神経への切り替わりがうまくいかないと、睡眠中も血流が低下した状態になってしまいます。
夕方になったら、先ほどお伝えした「ゆっくり」を意識するなどして、自律神経をリラックスモードに切り替えるようにしてください。