まだまだある東京の横丁〈横丁編〉
東京のおすすめ横丁ガイド
東京の「横丁」には、いろいろな顔があります。
お酒を楽しめる飲食店が立ち並び、夜になるとお酒や食事を楽しむ人で賑わいを見せる場所……、多くの人が抱く「横丁」のイメージはこうかもしれません。
しかし、なかには生鮮食品や衣料品、軽食などを販売するお店がメインを占める横丁もあるんです。そうした横丁は、昼間は周辺住民の「生活の場」だったり、観光客で賑わう場所だったり、地元名物の食べ歩きを楽しめたり。
さまざまな東京の横丁から、おすすめの場所をセレクトしてみました。気になる横丁があったら、ぜひ足を運んでみてください。
また、東京の「横丁」のなかには、時代とともに変化を遂げてきた場所も。多くの観光客で日々賑わうアメ横商店街も、そんな場所のひとつです。アメ横商店街連合会会長・星野 勲さんに、「横丁の変化」についてお話を伺いました。
※掲載情報は2024年12月現在の内容となります。最新情報については、店舗に直接お問い合わせください。
北千住 飲み屋横丁【北千住】
老舗大衆酒場と新しい店の
ハシゴ酒を楽しみたい場所
現在は都内屈指のターミナル駅として多くの人に利用されるJR北千住駅ですが、かつては宿場町として栄えた古い歴史を持つ場所です。そのため、多くの店が立ち並ぶ一大繁華街でありながら、どこか下町情緒を残しているのも北千住駅周辺の魅力。北千住駅西口から伸びる「飲み屋横丁」は老舗大衆酒場が多く立ち並ぶ路地であり、近年は新しい店も進出して、ますます賑わいを見せるエリアに。安く飲める店が揃う、酒飲みにはたまらない場所です。
北千住 飲み屋横丁
- 所在地東京都足立区千住2丁目周辺
Google Maps - 営業時間営業時間等の詳細は各店舗に直接お問い合わせください。
アメ横商店街【上野】
観光客から買い出し客まで
多くの人が訪れる観光名所
JR上野駅とJR御徒町駅を結ぶ約500mの間に400あまりの専門店が軒を連ねる、戦後から続く日本有数の商店街。名前の由来には「飴屋が多いから」、もしくは「アメリカからの舶来品が多いから」というふたつの説が。生鮮食品からお菓子、衣料品、輸入品やスポーツ用品など幅広く揃い、近年では居酒屋や海外の料理を楽しめる屋台も増えています。歳末には買い出しに訪れる多くの人で賑わい、東京の師走の風物詩となっています。
アメ横商店街
- 所在地東京都台東区上野6-10-7
Google Maps - 電話番号03-3832-5053 / 03-3837-3619
- 営業時間営業時間等の詳細は各店舗に直接お問い合わせください。
- HPhttps://www.ameyoko.net
赤羽OK横丁【赤羽】
楽しく飲めば「OK」!?
屈指の居酒屋密集地の名物横丁
下町らしさを残しながら、ターミナル駅としての活気もある赤羽は居酒屋が多いことでも知られるエリア。約100軒の居酒屋が立ち並び「せんべろの聖地」との異名を取る一番街を入り、左手に行くと見えてくるのが赤羽OK横丁。約100mの路地に30軒が連なるこの横丁の名前の由来は、「何でも飲み食いできる(OKな)横丁」という説も(諸説あり)。安く、楽しく飲める昔ながらのお店が多く揃います。
赤羽OK横丁
- 所在地東京都北区赤羽1-17
Google Maps - 営業時間営業時間等の詳細は各店舗に直接お問い合わせください。
新宿西口 思い出横丁【新宿】
新宿副都心のお膝元で
タイムスリップ感を味わえる
正式名称は「新宿西口商店街」、通称「思い出横丁」。戦後から続く、ノスタルジックな情景が残る古き良き飲み屋街です。JRの線路沿いに伸びる約630坪ほどの土地に、もつ焼き屋、焼き鳥屋などの飲食店やチケットショップなどのお店も合わせ、約80店舗がひしめきあっています。近年は観光客も多く、特に海外からの観光客が多く訪れる人気スポットとなっています。
新宿西口 思い出横丁
- 所在地東京都新宿区西新宿1-2
Google Maps - 営業時間営業時間等の詳細は各店舗に直接お問い合わせください。
- HPhttps://shinjuku-omoide.com
昭和新道【中野】
中野の飲み屋街エリアのなかで
“昭和”な空気が残る横丁
戦前から繁華街として栄えてきたJR中野駅周辺。北口には戦後に一大マーケットが広がり、現在も多くの商店街、そして飲み屋街が栄える場所としてその名残りがあります。広大な飲み屋街エリアのなかで、人気の立ち飲み店や“昭和”の空気を感じられるスナック、老舗の居酒屋など約100軒が営業しているのがこの昭和新道(しょうわしんみち)。2017年には商店街の副称を「百軒横丁」と新たに定め、この名称入りの提灯が夜の町を彩っています。
昭和新道商店街
- 所在地東京都中野区中野5丁目周辺
Google Maps - 営業時間営業時間等の詳細は各店舗に直接お問い合わせください。
高円寺ストリート【高円寺】
新旧2つの横丁がクロスする
高架下の飲み屋街
JR高円寺駅からJR阿佐ヶ谷駅へと向かう方面に約400m続く、高架下の商店街。個人店が多い高円寺らしさを象徴するような個性的な店が軒を連ね、安い大衆居酒屋や焼き鳥屋、餃子屋、串焼き屋など多くの飲食店が並んでいます。以前は夜から開店し昼間はシャッターが閉まった店が多かったものの、高円寺ストリートの一部エリアに再開発で新たな飲食店街「高円寺マシタ」が2023年オープン。新しい高円寺の顔として、多くの人に利用されています。
高円寺ストリート
- 所在地東京都杉並区高円寺南3-70-1
Google Maps - 営業時間営業時間等の詳細は各店舗に直接お問い合わせください。
西荻窪駅南口エリア【西荻窪】
グルメスポットとしても
注目される場所
JR西荻窪駅南口を出てすぐの場所にある、居酒屋が多く立ち並ぶエリア。西荻窪駅の駅前は狭い通りが入り組み、昔ながらの昭和の空気が色濃く残る町並みが特徴です。特に南口は古くから続く人気大衆酒場から新進気鋭の個人店まで、幅広いジャンルの小さな飲食店が数多く並び、地元民だけでなく遠方から訪れる常連もいるほど。このエリアにある「柳小路」では毎月第3日曜日に昼市が開催され、新たな客層を呼び込んでいます。
西荻窪南口エリア
- 所在地東京都杉並区西荻南3丁目周辺
Google Maps - 営業時間営業時間等の詳細は各店舗に直接お問い合わせください。
蒲田東急駅前通り会【蒲田】
昭和のアットホームさと
活気を楽しめる横丁
JR蒲田駅西口、東急池上線の高架沿いに伸びる、約60軒の店が営業している商店街。「バーボンロード」とも呼ばれ、この名称は40年ほど前にアメリカ・ニューオリンズにある同名の場所をまねてつけたとのこと。居酒屋からバルにイタリアン、フレンチ、定食屋から町中華、バーやスナックまで幅広いジャンルの店が揃っています。また、この場所を訪れた方に生ビールを振る舞う「生ビール祭」などイベントも数多く開催。アットホームさと活気が魅力の横丁です。
蒲田東急駅前通り会
- 所在地東京都大田区西蒲田7丁目周辺
Google Maps - 営業時間営業時間等の詳細は各店舗に直接お問い合わせください。
- HPhttps://www.bourbon-road.com
アメ横商店街連合会会長・
星野 勲さん
変わりゆくアメ横で
「変わらない」もの
星野 勲/アメ横商店街連合会会長
アメ横プラザ商店街にある鞄店「works」店主。二代目経営者としてアメ横の変遷を見つめてきた傍ら、アメ横商店街連合会会長として日々奮闘中。
観光地として、多くの方に知っていただいている「アメ横」ですが、実は近年はいろいろと変化が起こっています。かつては生鮮を含む食品店と、衣料品や輸入品などを扱う物販というのが2本柱でしたが、そういった店は店主が高齢化し、後継者がいないところが多くなりました。その代わり増えてきたのが、海外の方が営む飲食店です。今ではこれらの屋台を目当てに来るお客様も多くなったのが、ここ10年での大きな変化でしょうか。私たち組合でも、外国人の店主の方に組合の理事になってもらうなど、一緒にアメ横を守り、盛り上げていける取り組みをしています。
一方で、変わらない光景もあります。アメ横といえば「年末に買い出しに来る場所」というイメージがありますが、物販や生鮮のお店が減った今でもそれは変わりません。というのも、その時期だけは年末年始用の食材を店頭で扱う飲食店が多くなり、結果的に「年末の買い出しはアメ横」という伝統は守られ続けています。そのため、2023年の12月30日に訪れた買い物客は、前年から約16万人増え、約63万人が1日で訪れるという人出となりました。
アメ横と言うと「アメ横商店街」のイメージが強いかもしれませんが、高架下の「アメ横プラザ」には輸入品やカバン、靴を扱う店が並び、また違う楽しさがあります。アメ横を訪れた際はぜひ、そういった場所も覗いてみてください。
本企画で紹介した東京の横丁は、それぞれのエリアでの楽しみ方が違うのはもちろん、訪れる曜日や時間帯によって見えてくる風景が異なる場所も多くあります。ぜひ、何度も足を運び、あなただけの「東京の横丁」の楽しみ方を発見してください!
・未成年者の飲酒は法律で禁じられています。お酒は20歳になってから。
・妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
・飲酒運転は法律で禁止されています。
・飲みすぎに注意、お酒は適量を。