自律神経は活動するときに働くアクセル役の「交感神経」と、休息やリラックスをするときに働くブレーキ役の「副交感神経」によって成り立っています。
自律神経の老化によって、働きが低下するのは副交感神経のほうです。一方、交感神経の働きはあまり変わりません。つまり、交感神経だけが強く働く、アンバランスな状態になりやすいのです。
交感神経が強く働くようになると、次のような不調が心身に表れてきます。
・自律神経失調症……倦怠感、頭痛、肩こり、不眠、イライラ、集中力の低下など
・神経性胃炎……胃痛、胸やけ、喉のつかえなど
・過敏性腸症候群……下痢、便秘など
・メニエール病……めまい、耳鳴り、難聴など
・過呼吸症候群……胸の痛み、息苦しさなど
・起立性調節障害……朝起きられない、食欲不振など
・更年期障害……ほてり、のぼせ、発汗など
問題は、こうした不調をそのままにしておくことです。何もしなければ、あっという間に老化は進んでしまいます。
私は、自律神経の老化を感じたときは、とりあえず「ゆっくり」を意識するようにしています。ゆっくり歩く、ゆっくり呼吸する、ゆっくり話す……。なんでも「ゆっくり」を心がけると、副交感神経を刺激することができます。
傾いているシーソーを、水平にするようなイメージです。すると、交感神経とのバランスが取れ、不快な症状が消えていくのを実感できると思います。