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――「安倍一強」が崩れ、他の派閥も混乱すれば、党内には自由にモノが言える空気が広がるんじゃないですか?
今度の裏金問題の混乱のなかで、党内から改革の声が上がらなかったのは致命的です。リクルート事件の時は、当選1回の石破茂とか渡海紀三朗(現政調会長)とか、改革を求める声があがった。35年経っても顔ぶれが同じとは情けない。
――当時、私も記者として、改革派若手議員を追いかけていました。ただ、遅まきながら、無派閥議員の情報交換会が事件の再発防止策などを話しています。
あれは石破元幹事長や菅(義偉)前首相の色がついていると言われる議員たちで、「石破別動隊」なんて言われています。刷新本部は党役員ばかりだし。
台湾海峡のリスクや地震の対策など、今後いろいろな危機が表面化してくることを考えれば、強いリーダーが必要ですよね。
古くは明治維新や昭和の敗戦の後には、偉大なリーダーが輩出した。三角大福中が登場したのは、時代の危機感の裏返し、民衆の期待感があったからでしょう。最近は無気力ばかりが目立って、危機感が見えない。
小選挙区制下では、党の締め付けばかり強くなったと言われるけど、当選1~2回の若い人たちの中に有望株が数人いる。大政翼賛会のような空気の中から出てきた小泉チルドレン、安倍チルドレンには、あまり見当たらない。
――焦点の「政治改革」の議論はどう展開しますかね。
今回の問題の本質は、おカネなんですよ。その処理さえきちんとしておけば、世の中が大騒ぎすることもなかった。
政治資金規正法をめぐっては、政治家は必ず「抜け道」を見つけようとする。でも、ある意味でカネは必要なんですよ。抜け道がなくなったらみんな干上がっちゃう。東京都世田谷区を地元にしている人と北海道を地元にしている人では、カネのかかり方が全然違う。都市部はパー券を買ってくれる会社があるけれど、田舎に行ったらめったにない。けど、田舎の方がカネはかかる。これを完全に締めると立ち行かなくなる。地方で事務所を閉鎖する政治家も出てきた。
政党交付金だけじゃ事務所が回らないのも事実だ。ポイントはきちんと収支を明らかにすること。志公会(麻生派)や平成研(茂木派)は収支を書いていた。明示すれば、何の問題もなかった。
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