広島の菊池涼介選手
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 歴代最多の10年連続でゴールデングラブ賞(二塁手)を獲得してきたプロ野球・広島カープの菊池涼介内野手(33)。昨年、この記録が途切れた。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の優勝に沸き、阪神に圧倒された昨年を振り返るとともに、今シーズンの抱負について聞いた。

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 昨年はWBCから始まった1年だった。

 今大会では選抜に漏れたが、菊池選手の守備は「神様」「魔術師」と表現されるほどすごいことには変わりがない。2017年の前回大会では菊池選手のスーパープレーが大きな称賛を浴びた。

 2次ラウンドのオランダ戦。日本1点リードでのオランダの攻撃。1死一塁から、早い打球が投手の股を抜けた。センター前にほぼ抜けたと思われた瞬間、菊池選手がグラブでダイビングキャッチし、そのままグラウンドに腹ばいの状態になると、一瞬上半身を浮かせ、左斜め後ろの二塁ベースに入る遊撃手に後ろ向きの体勢からグラブトスしてアウトにした。

1秒もない間にどう判断するか

 そのプレーについて覚えているか聞くと、

「あのプレーは、打球がくるかな、と思ってはいました。飛びついて取った瞬間に、二塁しかない、と。普段からイメージしている感覚でトスしたら、さすが、坂本(勇人、巨人)先輩がうまく取ってくれました。守備は、1秒もない間にどう判断するか、です」

 この大会での日本は3位という結果だった。菊池選手は昨年のWBCには出場していないとはいえ、目が離せなかったという。

「(17年に)準決勝で負けたのは、練習試合の段階で十分に調整ができていなかったことが、要因の一つだと思っています。昨年のチームは練習試合では1試合負けただけでした。例年、シーズン前にベストにもっていくのは難しいけど、それができていたので優勝につながったと思います。それと、出場した選手に聞くとコミュニケーションがとてもよかったと言います。年長のダルビッシュ有さん(サンディエゴ・パドレス)が、すごく気を配って盛り上げてくれたそうです。22年の東京五輪の金メダルもそうでしたが、WBCで優勝できたのは、数字には出ない、目に見えない部分の力もありますよね」

2017年WBCのイスラエル戦 二塁手菊池は体勢を崩しながらも一塁に送球し併殺にした
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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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菊池選手が選ぶ昨シーズンのベストプレーとは