さらに、飲食物を熱い状態でとることは食道がんのみならず食道の炎症のリスクを上げるため、口腔や食道の粘膜を傷つけないように熱いものはなるべく冷ましてから口にすることをすすめています。
一方、単独のエビデンスでは、魚の脂などのオメガ3脂肪酸、緑茶、コーヒーなどが、がんを減らす可能性を示す報告もあります。また、身体活動や肥満などとがんとの関連も明らかにされてきています(注3)。
総合的に見れば、魚や野菜・果物などの植物性食品を多く摂取し、緑茶を飲むという和食中心の食生活は、肥満や生活習慣病のリスクを減らし、がん予防という意味でも有用と言えるでしょう。
とはいえ、100%確実にがんを予防する方法はありません。その意味では、「自己チェックを怠らないこと」が鍵を握ります。乳がん、前立腺がん、大腸がん、肺がんが増えていることを念頭に、少なくとも自治体や職域で行われているがん検診は積極的に受けるようにしましょう。
10年先の健康を作るのは今の自己管理
私たちの体は、加齢によって徐々に機能が低下していきます。20~30代は不健康な習慣のダメージも少しの工夫で解消できるし、回復も早いのですが、40代を過ぎる頃には回復がなかなか追いつかなくなり、ダメージが積み重なっていき、生活習慣病も、がんも年齢を重ねるほどリスクが高まっていきます。