男女共に増えている大腸がんを早めに発見するためには、便の中に血液が混じってるかどうかを調べる便潜血検査が一番正確ですので、中高年になったら健康診断か人間ドックで1年に一度は調べることをおすすめします。
がんの発症率と食生活との関連を調べる研究は世界中で進められていますが、一つの食品だけでは単純に論じられません。がんの原因は一つではなく、喫煙、飲酒、食事、運動などの生活習慣、あるいは肝炎ウイルスやピロリ菌などの感染、個人の遺伝的背景なども複雑に絡み合って起こるからです。
ただ、日本では、最大約14万人を対象とし30年以上にわたり続けられてきた日本で最大規模の多目的コホート研究(JPHC Study)を基に国立がん研究センターが「日本人のためのがん予防法」(2022年8月3日改訂版)を提言していますので、参考までに食事に関する内容に注目してご紹介しておきましょう(注2)。
これによると、飲酒によってがん全体および肝臓がん、大腸がん、食道がん、男性の胃がん、女性(閉経前)の乳がんのリスクを上げることが確実とされています。また食塩・高塩分食品の摂り過ぎが胃がんのリスクを上げ、野菜・果物を多く摂ることで食道がん、胃がん、肺がんなどのリスクが下がることが期待されるということです。