平田光恵さん(右)と平田彰さん(撮影/写真映像部・高野楓菜)
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 AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2024年1月1-8日合併号では、家族で東京から長野に移住し農業関係の仕事に就いた、畑あそぼ村FARMスタッフで八ケ岳中央農業実践大学校指導員の平田光恵さん、農作業の自動化に取り組むハタケホットケ取締役の平田彰さん夫婦について取り上げました。

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2015年、夫41歳、妻43歳のときに結婚。現在、長男の圭くん(8)と3人暮らし。

【出会いは?】2014年、ビジネス勉強会で出会う。

【結婚までの道のりは?】話す機会が増えるにつれて仲良くなり、妻は背伸びをせずに等身大の自分でいられるのはほかの人にはないことと感じ、夫は家族になるならこういう人がいい、と思うように。そして出会いから約半年後に交際を始め、交際1年後に結婚。

【家事や家計の分担は?】家事は主に妻が行うが、「夫が記念日などに作ってくれるパスタ料理がすごく美味しくて、特にカルボナーラが絶品」と妻。家計管理は夫が行う。

妻 平田光恵[51]畑あそぼ村FARMY スタッフ/八ケ岳中央農業実践大学校 指導員

ひらた・みつえ◆1972年、福島県出身。関西外国語大学短期大学部卒業後、旅行会社で11年間営業と添乗をし、総合旅行業務取扱管理者の資格を保持。その後ネイリストやメーカー営業職などを経て、結婚を機に退職。2021年に長野県の原村に移住し現職

 コロナ禍に福島の実家に戻ることになったとき、本当は嫌でした。短大進学時に、田舎が嫌で家を出たんですから。それが戻ってみたら、まあ快適で! 裏庭の野菜は味が濃くて美味しいし、近所のおばあちゃんは息子を孫同然に可愛がってくれるし。東京ではマンション暮らしで、息子の声や足音に神経質になっていましたが、実家では「元気でいい」と褒められるんです。子育てをするには田舎がいいと思いました。それで東京に戻る選択肢が消えて、いい物件が見つかった長野県原村に移住したわけです。

 私たち夫婦にとっても、移住は自分らしくいられるきっかけになってラッキーでした。生活費は東京の半分以下で、水がおいしいことも気に入っています。夫は、東京で会社員だったころ「疲れた」が口癖でしたが、今は仲間と仕事を創造できる喜びと自信にあふれています。夫たちが手掛ける事業は今と未来の世の中に必要なことだから、安心して見ていられます。怪我だけには注意してほしいと思います。

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