フリーエージェント(FA)選手の去就など、ストーブリーグが盛り上がっているが、選手の移籍以外でもう一つこの時期に話題となるのが年俸更改だろう。
【写真】「2億円」が「400万円」に急降下 球史に残る“大減俸”を味わった選手がこちら
そして今オフの年俸更改で注目されているのが、好投を続けても報われなかった中日の先発投手陣がどれほどの契約額を提示されるかだ。
中日はここ数年、打線が課題となっているが、今年は特に“攻撃力不足”が顕著で4人の投手が10敗以上を喫した。これは球団史上では1973年以来、実に50年ぶりとなる屈辱だった。しかし、投手たちの成績自体は他球団の投手たちをむしろ上回っていると言ってもいい。
本拠地のバンテリンドームは広く投手有利ということはあるが、規定投球回に達した投手では柳裕也(4勝11敗、防御率2.44)、高橋宏斗(7勝11敗、防御率2.53)、小笠原慎之介(7勝12敗、防御率3.59)は勝ち星と負けの数が入れ替わっていてもおかしくない成績だった。
既に高橋は2800万円増の6300万円で、もう一人10敗以上を喫したベテラン右腕の涌井秀章(5勝13敗、防御率3.97)は現状維持の1億円で年俸更改を終えている。しかし、柳と小笠原に関しては年俸更改に臨んだものの、1度目の交渉はともに保留となっている……。
「(柳と小笠原はともに)契約額の交渉よりも球団方針を確認するのに終始したと聞く。左腕エース・大野雄大が球団批判とも取られる発言をしたが、あれこそ選手の総意。プロとしてお金は大事だが野球人としては勝ちたい気持ちが強いはず」(中日OB)
加藤宏幸代表が多忙のため下交渉ができなかったのも話題となったが、選手たちはチームの将来について憂慮しているという。先立って11月9日に契約交渉に臨んだ大野も会見で、「選手が一番やらないといけないんですけど、球団もそうですし、監督、コーチ、みんながやっぱり変わらないと僕は強くはならないと思う」と語るなど、球団の行く末を案じているのは間違いない。