中日投手陣が恵まれていないのは誰でもわかるので、査定担当者もそれを踏まえた上での条件提示をするはずです。近年は結果を残した選手の年俸はアップしているので、金額に関しては大きな隔たりはないでしょう。(選手たちは)まずは球団のビジョンを聞きたいのではないかと思う」(中日担当記者)

 小笠原も柳も今季の年俸からアップの提示を受け、成績自体は評価されているようだが、柳は「一度持ち帰って、球団の考えと、自分の考えを照らし合わせます」とサインはしなかった。これは条件面だけではなく球団の方針や「勝ちたい気持ちがあるのかどうか?」という部分も再考したいとも考えられる。

 中日は現在チームの若返りを図っており、低迷脱出に向けて光も見えてきた。だが、一方で低迷期を支えてきた柳や小笠原に関しては近い将来、FAやメジャー挑戦などで他チームへ移籍してしまうのではないかという懸念がある。これから若手が順調に成長し、優勝を狙える戦力になったタイミングで主力が他チームに移籍してしまうのはあまりにも痛い。今は彼らが将来的に残留という選択肢を持ってもらうためにも誠意を見せておきたい。

「プロ入り以来在籍した球団には強い思いも生まれる。低迷期を支えてきた柳と小笠原だけに勝ちたい気持ちは強いはず。球団がしっかりとしたビジョンを提示できれば残留の可能性もある」(中日OB)

 このように選手たちがチームに対して不信感を抱いてるとも考えられる中で、気になるのが中日への移籍が決定的となった中田翔巨人から自由契約)を獲るために用意した待遇だ。報道では年俸3億円前後の複数年提示という情報もあるが、SNSなどでは中日ファンから「お金を出すなら柳や小笠原に……」といった意見も少なくない。

 もちろん、実績豊富で攻守に大きな戦力として期待できる中田はについては、「ビシエドの衰えが目立つため一塁を任せられる右の強打者は必要。中島宏之を獲得したがシーズンを通しての活躍は期待できないので、中田がいれば調子良い方を起用することができる」(中日担当記者)と球団の弱点を埋めてくれる選手なのは間違いない。

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中日に必要なのは“長期的なビジョン”か