日本シリーズも終わり、ストーブリーグに突入したプロ野球。フリーエージェント(FA)権を取得した選手や、メジャー移籍が噂される選手、さらには新外国人選手など話題は尽きないが、例年以上に注目を集めることになりそうなのが、自由契約となった選手の動向だ。育成選手や外国人選手を含めると10人以上を自由契約とした球団も多く、中には実績十分の選手やまだまだ今後の成長が期待できる選手も少なくない。
11月5日時点では西武が炭谷銀仁朗(前・楽天)、DeNAが森唯斗(前・ソフトバンク)、中川颯(前・オリックス)、堀岡隼人(前・巨人)、ヤクルトが西川遥輝(前・楽天)、嘉弥真新也(前・ソフトバンク)について獲得の調査を進めているという報道が出ており、今後さらに増える可能性は高いだろう。
オリックスは戦力が充実していることもあって中川颯以外にも比較的余力がありそうな選手が自由契約となったが、同じ投手で名前を挙げたいのが吉田凌だ。東海大相模では小笠原慎之介(現・中日)と二枚看板を形成し、3年夏には甲子園で優勝。ドラフト5位でのプロ入りだったものの着実に力をつけ、5年目の2020年には35試合に登板して2勝、7ホールド、防御率2.17と見事な成績を残した。
今年も一軍では19試合の登板に終わったが、二軍では30試合に登板して防御率1点台、1イニングあたりの被安打と与四球で示すWHIPも0.80と高水準の数字をマークしている。高校時代からの武器であるスライダーに加えてストレートと変わらないスピードで変化するシュートを操り、三振を奪う能力も高い。今年で26歳という年齢を考えてもまだまだ中継ぎとして戦力となる可能性は高く、ブルペン陣が苦しい球団にとっては狙い目の選手と言えるだろう。
吉田と同学年の投手では高橋純平(前・ソフトバンク)も注目の1人だ。県岐阜商では3年春にエースとしてセンバツ高校野球で準決勝に進出。その年の高校生投手の目玉として評判となり、3球団が1位で競合となっている。プロ入り後は故障に苦しみ、なかなか力を発揮することはできなかったが、4年目の2019年には一軍で45試合に登板して3勝、17ホールド、防御率2.65をマークしてチームの日本一にも貢献した。