■6位 秋田工業、7人、全国大会出場70回・優勝15回

 全国大会出場・優勝の回数はいずれも最多記録だ。だが、1987年度が最後の全国制覇だった。平成時代に優勝はない。明治大に吉田義人(91、95年)、法政大には桜庭吉彦(87、95、99年)を送り込んだ。2人ともワールドカップでは先発出場が多いレギュラーだった。

■6位 東福岡、7人、全国大会出場33回・優勝7回

 花園で2001年度、02年度、06年度は準優勝、07年度に初優勝を飾ってから、09~11年度、14年度、16年度、そして直近の22年度に高校日本一となった。監督の藤田雄一郎は同校OBで1990年度に花園に出場しており、2012年度に監督に就任した。OBには、専修大で活躍した村田亙(1991、95、99年)、法政大に進んだ谷皇紀(2007年)がいる。藤田慶和(15年)は早稲田大在学中に日本代表に選ばれトライをあげた。

■8位 桐蔭学園、6人、全国大会出場20回・優勝3回

 2019年大会までワールドカップに送り出したのは2人。意外に少ない。花園で初めて優勝したのは10年度であり、ラグビーの古豪、伝統校と言われるにはもう少し時間がかかりそうだ。だが、10年代から早稲田大、帝京大など強豪校を経て、リーグワンでトップレベルのチームで活躍する選手が増えており、OBの活躍が期待できそうだ。桐蔭学園ラグビー部監督の藤原秀一は、かつて「見ている人が楽しい、やっていて楽しいゲームをしたい」と話していた。「ラグビーの醍醐味(だいごみ)はコンタクトのあるスポーツ。競っていた所で互いにやり合うのが魅力の1つ。そしてボールゲームの要素があり、互いにスペースをどう取り合うか。見ていて楽しいゲームを見せたい」(「日刊スポーツ」21年1月9日)

ラグビーワールドカップ日本代表の出身高校ランキング(1987~2023年)16位~
ラグビーワールドカップ日本代表の出身高校ランキング(1987~2023年)53位~

 公立進学校出身の日本代表もいる。

 中村直人(1999年、京都府立洛北→同志社大)、広瀬俊朗(2015年、大阪府立北野→慶應義塾大)、山田章仁(15年、福岡県立小倉→慶應義塾大)、福岡堅樹(15、19年、福岡県立福岡→筑波大)、今泉清(1999年、大分県立大分舞鶴→早稲田大)。このうち、花園経験者は福岡、今泉のみ。

 2023年大会では修猷館出身の下川が活躍した。

 福岡はラグビーが盛んな土地柄で小中学生向けラグビースクールがいくつかある。彼らのなかで優れたラグビーセンスを持った者は地元の強豪、東福岡で活躍するが、修猷館、福岡、筑紫丘、筑紫、東筑など公立進学校に進む者も少なくない。22年度の福岡県予選決勝に筑紫、ベスト4に修猷館、ベスト8には小倉、東筑、ベスト16には筑紫丘、福岡などが進んだ。

 日本代表には、高校時代、花園で華々しい活躍をした者もいれば、無名校にあって体力や基礎技術を身につけセンスを磨いた者もいる。エピソードはたくさんある。ワールドカップの一つの見方として日本代表を出身高校から見るのもおもしろい。

(文中敬称略)(教育ジャーナリスト・小林哲夫

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