85年、阪神が日本シリーズに優勝して初の日本一。祝賀会で抱き合って喜ぶランディ・バース選手(左)と吉田義男監督

 岡田監督の下でプレーした選手はこう語る。

「岡田監督は慕われていましたよ。選手に対する厳しい言葉がクローズアップされますが、根底には愛がある。結果だけで責めることはないから選手も納得できる。あとは個々の選手の性格をよく見ていますね。今年で言えば、マイペースな佐藤輝明には厳しい言葉で尻を叩き、結果が良くても打席内容が伴わなければほめない。繊細な性格の青柳にはエースとしての奮起を求める一方で、自分を追い詰めすぎないようにメッセージを送っている。アメとムチを絶妙に使い分けた結果、夏場以降に佐藤は打撃が爆発し、青柳も白星を積み重ねている。勝利を第一優先にしますが選手の個人成績にも神経を使うし、気配りの人だと思います」

 ファンやメディアの注目度が高い阪神で監督を務めることは、大きな重圧が伴う。ヤクルトで4度のリーグ優勝、3度の日本一に輝いた野村克也氏は99年から阪神再建を託されたが、3年連続最下位で退任した。

 中日、阪神、楽天の3球団で日本一に導いた星野仙一氏は名将としてファンの脳裏に刻まれている。阪神就任2年目の03年に選手の3分の1を入れ替える改革を断行。FAで金本知憲、トレードで下柳剛、メジャーから日本球界に復帰した伊良部秀輝、新外国人のジェフ・ウイリアムスを獲得した。新加入組が主力として活躍し、生え抜きの選手たちも輝いた。エースの井川慶が20勝5敗、防御率2.80で最多勝、最優秀防御率、最高勝率、沢村賞と投手タイトルを総ナメに。今岡誠が打率.340で首位打者、赤星憲広が61盗塁で盗塁王を獲得するなど脂がのり切った選手が多く、投打で他球団を圧倒して頂点に立った。

暮らしとモノ班 for promotion
大人のリカちゃん遊び「リカ活」が人気!ついにポージング自由自在なモデルも
次のページ
戦いは続く