選手に拍手を送る岡田監督
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 18年ぶりのリーグ優勝。9月に入って11連勝と勢いが止まらない阪神は、歓喜の瞬間を迎えた。 

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 在阪スポーツ紙記者は、興奮を隠せない。

「昨年までの阪神と違うところは、落とせない試合で必ず勝つところ。選手に闘争心を植え付けたのが岡田彰布監督です。時代もあるんでしょうけど、今の阪神は優等生タイプの選手が多く、野心をむき出しにするタイプがいない。チームがまとまっているのは長所でありますが、劣勢になると雰囲気が重くなり反発力がない。岡田監督はバックネット裏から見続けて、このチーム体質を見抜いていたと思います。時に辛辣な言葉でメディアを通じて選手を鼓舞する。嫌われ役も覚悟で、主将のようにナインを引っ張っていた。選手たちは監督の期待に応え、この1年間で精神的にもたくましくなりましたね」

 優勝から遠ざかっていた阪神は2006年以降の17年間で2位が7度で、Aクラス入りが12度と優勝争いには毎年のように絡んでいた。だが、夏場以降に失速するのが恒例のパターンに。勝負弱さが目立っていたが、今季は違う。6月に8勝14敗1分と負け越して一時は首位から転落したが、7月に11勝8敗2分と持ち直し、8月は18勝7敗、9月は10連勝と勝負の夏場で一気に突っ走った。

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