
料理研究家の黒田民子さんが教える「家つまみでひとやすみ」。今回は「桜の淡雪羹」。
* * *
みなさんの街ではもう桜が咲き始めましたでしょうか? テーブルに桜を咲かせる淡雪羹。友人を家に招いて春らしく、手作りのお菓子でおもてなししましょう。
作り方にはいくつかコツがあります。まずは寒天を十分に煮溶かすようにしてください。そこにグラニュー糖を加えたら、ムラが出ないようザルで漉(こ)しながら別鍋に移します。香り付けにはオレンジのリキュールを使いましたが、ブランデーなどお好みでどうぞ。

寒天液ができたら1/4量をボウルに移し、箸先にほんの少し食紅をのせて加え、色付けします。いっぽう白い淡雪羹は卵白を泡立て、残りの寒天液を少しずつ加えながらさらに泡立てます。冷めると固まるので、温かいうちに作るようにしてください。

型に入れる際は、まず白い寒天液を流し、トントンと空気を抜きながら平らにします。少し固まったら桜の花を飾り、薄紅色の寒天液を流し入れます。冷やすと硬くなるので、常温で固めるとやわらかな淡雪羹が楽しめますよ。
(構成/沖村かなみ)
■桜の淡雪羹
【材料】(5~6人分)寒天1本(約8g)、水400ml、グラニュー糖100g、卵白1個分、桜の花の塩漬け適量、リキュール大さじ1、食紅少量
【作り方】(1)桜の花の塩漬けを30分ほど水にさらし、ペーパーで水気を取る。寒天はさっと洗い、5cm幅に切って水で戻し、水を切る。(2)鍋に水と寒天を入れ、中火で煮溶かす。グラニュー糖を加え、沸騰したら火を止め、ザルで漉しながら別の鍋に移す。(3)(2)を2分ほど煮詰め、リキュールを加えて混ぜ、火を止める。(4)(3)の1/4量を別のボウルに移し、食紅を少量加え、混ぜる。(5)卵白をツノが立つまで泡立て、残りの寒天液を少量ずつ卵白に加えながら泡立てる。(6)型に(5)を流し入れる。少し固まったら桜の花を飾り、(4)を流し入れて固める。
【ワンポイントアドバイス】寒天液の1/4量を別のボウルに取り置き、箸先に少量の食紅を付けて混ぜる。
卵白入りの寒天液が少し固まったら桜の花を飾り、薄紅色の寒天液を流し入れる。

※週刊朝日 2023年3月31日号