喜多は和歌山・智弁和歌山高2年の96年センバツで、高塚信幸(近鉄)―中谷仁(97年ドラフト阪神1位)バッテリーとともに準優勝。高3夏の甲子園では優勝した。慶応大を経て、ロッテに入団する。その後、朝日大助教や智弁和歌山高教員を経て、17年から大阪・興国高の部長に、翌年、監督に就任した。一方、中谷は智弁和歌山高の監督として21年夏の甲子園で全国制覇を成し遂げた。

 ドラフト1位になぜ教員が多いのか。華々しくプロ入りし、志半ばでその世界を去った。それゆえ、「プロ野球界に代わる、確固たる世界(教育界)に身を置きたい」「高校野球を教えたい」。この2つが大きな理由だと思われる。

【5】その他、高校時代、全国制覇も

 川俣浩明(ロッテほか)の神奈川・藤沢翔陵高の前身は藤沢商高であり、「飛ばし屋のオバQ」こと田代富雄(大洋)を生んだ男子私立校である。

 吉田道(92年ドラフト近鉄2位投手)と原俊介(95年ドラフト巨人1位捕手)は、ともに神奈川・東海大相模高出身だ。原俊介は、原辰徳と同じ高校、同じ巨人ドラフト1位で混同されそうだ。原俊介は静岡・東海大静岡翔洋高を経て、母校・東海大相模高の監督に就任した。

 内田和也(ヤクルトほか)はみずからが西東京・日大三高3年の01年夏の甲子園で全国制覇。プロを経て、「情報」の教員免許を取得し、立正大立正高の監督を務める。東東京の関東一高などの牙城は高いが、近年、上位進出の健闘を見せている。

 伊藤義弘(ロッテ)はプロ入り1年目の08年から4年連続50試合登板を果たしたリリーバー。名門・東福岡高の監督として、今後どんな活躍を見せるか楽しみだ。

 なお、監督ではなく、コーチだが、先日病死した埼玉・浦和学院高の三浦貴氏(巨人ほか)も、教員免許(社会)を取得していた。同校は今夏、甲子園出場を決めた。

(新條雅紀)
 

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