監督として甲子園出場を果たした元プロ野球選手も
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 甲子園の季節だ。元プロ野球選手の高校野球監督は、知名度があるためマスコミの注目度が高い。しかし今後、苦労して教員免許を取得して教科を指導する「元プロ」はほぼ出現しないだろう。「絶滅危惧種」とも言うべき「教員免許を持つ元プロ・高校野球監督」を探してみた(育成選手は除く)。

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【1】「プロ・アマ規定」が厳しい時代、教員免許取得は30年で29人だけ

 元プロ野球選手が高校野球監督になるには、かつては「10年間の教員生活」が必要だった。「学生野球資格回復制度」は5年、2年と短縮されたが、「苦労して教員免許を取得した」のは、1984年から2013年までの約30年間で29人しか存在しなかった。

 制度が2013年から大幅に緩和され、3日間程度の研修を受ければ教員免許がなくても高校野球部の指導が可能となった。2013年以降2020年までの7年間で認定者は実に1200人にのぼる。いかに「元プロ」が、高校野球を指導したかったのかを物語る(参考=学術論文「エリートアスリートはなぜセカンドキャリアで教員を選択したのか」)。それだけに「教員免許を持った、高校野球部監督」の存在は貴重なのだ。主な16人を下に挙げた。

●佐野 心(中日→静岡・浜松開誠館高=社会)
●小林昭則(ロッテ→香川・藤井高=保健体育)
●有倉雅史(日本ハムほか→南北海道・札幌国際情報高=保健体育)
●若林弘泰(中日→西東京・東海大菅生高=社会)
●大越 基(ダイエー→山口・早鞆高=保健体育)
●川俣浩明(ロッテほか→神奈川・藤沢翔陵高=社会)
●杉本 友(オリックスほか→兵庫・宝塚西高=物理)
●伊達昌司(阪神ほか→東東京・雪谷高=社会)
●吉田 道(近鉄→静岡・浜松学院高=社会)
●石川 賢(ロッテほか→埼玉・埼玉平成高=保健体育)
●内田和也(ヤクルトほか→東東京・立正大立正高=情報)
●染田賢作(横浜→京都・西城陽高=保健体育)
●松家卓弘(横浜ほか→香川・高松西高=社会)
●喜多隆志(ロッテ→大阪・興国高=社会)
●原 俊介(巨人→神奈川・東海大相模高=保健体育)
●伊藤義弘(ロッテ→福岡・東福岡高=保健体育)

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「公務員試験」を合格しないといけない