NPBでの実績が十分でも苦しい状況となっている選手は少なくない。それがともに長きにわたってDeNAを投打で支えてきたエスコバーとソトの2人だ。エスコバーは2017年に来日して日本ハムに入団。その年の7月に交換トレードでDeNAに移籍すると、翌年からは5年連続で50試合以上に登板するなど中継ぎの柱として活躍している。しかし今年は開幕から打ち込まれる試合が続いて5月6日に登録抹消。6月に入って一軍に復帰を果たしたものの、その後も不安定なピッチングが続いており防御率は10点台という数字となっている。実績があり、貴重な左のパワーピッチャーということを考えるとすぐに見切るということはないかもしれないが、今シーズンはどのボールを投げても打たれるという状態が続いているのは気がかりだ。

 一方のソトは2018年に来日し、いきなり2年連続でホームラン王に輝くなど活躍。2020年オフには3年総額7億5000万円(推定)の大型契約を結んでいる。しかし、ここ数年は故障もあって年々成績が低下。昨シーズンは来日以来最低となる17本塁打に終わり、規定打席に到達することもできなかった。今シーズンも開幕から打率1割台と低迷。5月以降少し調子は上向いてはいるものの、ここまで5本塁打、21打点という寂しい数字に終わっている。心配なのが今年だけでなく、来日3年目から年々成績を落としている点だ。後半戦に巻き返しを見せなければ今シーズン限りで退団の可能性は高いだろう。

 エスコバーとソトは今年で契約が切れるが、まだ来年以降も契約が残っていながら苦しい状況となっているのがビシエド(中日)だ。2016年に来日し、2018年には首位打者、最多安打のタイトルを獲得するなど主砲として活躍。2021年のオフには3年契約も結んでいる。しかし今シーズンは打率は2割台前半に沈み、2本塁打、7打点、得点圏打率.128と中軸としての働きを見せることができていない。

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ビシエドは“日本人選手扱い”も期待されているが…