中日・ビシエド(左)とソフトバンク・ガルビス(右)
中日・ビシエド(左)とソフトバンク・ガルビス(右)
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 ペナントレースの約半分が消化した今年のプロ野球補強が可能な期間も7月末に迫っているが、日本ハムは6月30日にともに来日2年目となるガントとメネズの退団を発表するなど、早くも外国人選手を見切る球団が出てきている。彼らのようにここからシーズン終了に向けて整理対象となりそうな“崖っぷち”の外国人選手は他に誰がいるのだろうか。来日2年目以上の選手を対象にピックアップしてみたいと思う(※成績は7月4日終了時点)。

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 まず大きな期待を受けて来日しながら、ほとんど戦力になっていないのがガルビス(ソフトバンク)だ。メジャー通算966安打を誇り、また高いショートの守備力が評価されて2年総額7億円以上(推定)の高額契約で昨年来日。NPB初出場となった昨季の開幕戦では途中出場ながらいきなり満塁ホームランを放ち、チームの勝利に貢献した。しかし、その後は極度の打撃不振で早々に二軍降格となり、1年目はわずか38試合の出場で19安打に終わっている。

 2年目の今シーズンも開幕一軍入りこそ果たしたものの、大半が代打での出場でわずか5安打しか記録しておらず、6月2日に登録抹消。二軍でも6月18日に1号ホームランを放ったことがわずかに話題となったが、打率は1割台と結果を残すことができていない。高額な年俸と今年で34歳という年齢を考えると、よほどのことがない限りは今シーズン限りでの退団、最悪はシーズン途中での契約解除も考えられる。ショートのレギュラーである今宮健太に危機感を与えて、復活のきっかけになったということはありそうだが、メジャーでの実績を考えるとチームへの貢献がそれだけというのは寂しい限りだ。

 ガルビスと同じ2年目の外国人野手で微妙な立場となっているのがマクブルーム(広島)だ。来日1年目の昨年は開幕直後から4番に座ると、いずれもチームトップとなる17本塁打、74打点をマークするなど中軸としてまずまずの成績を残し、オフには大幅年俸アップを勝ち取っている。しかし今シーズンは開幕直後からなかなか打率が上がらずに低迷。5月中旬に少し状態を上げたかに見えたがセ・パ交流戦に入るとまた調子を落とし、6月11日に登録抹消となった。右の強打者タイプが少ないというチーム事情もあるため、今後もまだチャンスは与えられる可能性は高いが、状態が上がらないようであれば契約更新は難しいだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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