トレードでオリックスから中日に移籍した後藤駿太(写真提供・中日ドラゴンズ)
トレードでオリックスから中日に移籍した後藤駿太(写真提供・中日ドラゴンズ)
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 7月31日、選手をトレードで獲得することができるNPBの新規選手契約可能期間が終了した。最近ではトレードが増えてきた印象もあったが、今年は2月1日のキャンプイン以降に成立したトレードはわずか3件と少なかった。

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 NPBの支配下選手登録の上限は70人で、7月31日時点で巨人ヤクルト中日阪神楽天ロッテオリックスソフトバンクの8球団が上限に達した。今後も契約を放棄された選手を他球団が獲得するウエーバー移籍は可能ではある。しかし余程のことがない限り、今季終了まで大きな動きはないだろう。

 一方、メジャーリーグでは現役最高のプレイヤーとの呼び声もあり、まだ年齢が23歳と若いホアン・ソト(ナショナルズ→パドレス)がトレードされるなど、例年のように移籍市場は締め切り前に活発化。ソトと同じく動く可能性が指摘されていたエンゼルスの大谷翔平は残留となったが、それでも8月2日の締め切り日だけを見ても、シーズンを左右するような実績のある選手を含め31件のトレードが成立している。

 NPBではキャンプイン以降というスパンでみても、リーグ全体でトレードの数は先述の通り3件。今季から日本ハムの指揮官に就任した“BIG BOSS”こと新庄剛志監督が「超大型トレード」などに言及していたが、トレード市場は熱を帯びることなく期限が終わった。

 日本でも“現役ドラフト”が今オフに導入される見通しで、近年は選手の流動性を高めることが叫ばれている。だが、メジャーリーグと比べるとトレードを含め選手が動くことが少ないのが実情だ。メジャーリーグはチーム数が多く、補強に関するルールなども異なるため単純に比較はできないが、なぜ日本では移籍の市場が静かなことが多いのだろうか。

 その理由の一つとしては、球団内での人間関係などが影響して活発化しないということが挙げられる。日本球界はフロントと現場の役割が明確に分かれている米国とは違い、選手の放出に関して、そこまで“ドライ”になれない事情もあるよう。また、いまだに日本ではトレードは戦力とみなされない選手を放出するというネガティブなイメージもあり、選手の出身学校や企業に対しての配慮もあるとのことだ。

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近年はFA市場も活発化せず