チャンス大城さん(撮影/写真映像部・東川哲也)
チャンス大城さん(撮影/写真映像部・東川哲也)
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 大人気バラエティー番組「アメトーーク!」2023年4月20日(木)放送の「本屋で読書芸人」回で、お笑いコンビAマッソ・加納さんが紹介したチャンス大城さんの著書『僕の心臓は右にある』(2022年7月発売)。翌週、27日には「チャンス大城芸人」でも大特集された、チャンスさんの衝撃の半生を赤裸々に語り下ろした著書から、良い話なのに笑える、37億分の1の奇跡を明かしたプロローグを公開します!

【天才?チャンス大城さんの独特なイラストはこちら】

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 僕の一日は、床から始まります。

 玄米を炊飯器で炊いて、みそ汁にサバ缶と刻みネギを入れて、オリーブオイルで炒めた野菜を一品、しらすと納豆とバナナ・ヨーグルト。

 むちゃくちゃ健康的でしょう。

 いろいろあって、お酒をやめて、健康的な生活に切り替えたんです。

 これをみんな床の上に並べて、床に座って食べる。武田鉄矢さんのラジオ、「今朝の三枚おろし」を聴きながら食べるんです。

 一応、隣の部屋にテーブルはあるんですが、床に座って食べた方が落ちつくんです。「明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー」でさんま師匠からもらったベッドも持っているんですけど、まだ箱から出してません。やっぱり床に布団を敷いて寝た方が落ち着くし、なんかベッドって、洋風っていうか、高級っていうか、偉そうな感じがするやないですか。

 なんで、そう思うんかな。

やっぱり僕には、ストリートの血が流れてるんかな。

いや、ストリートなんてかっこつけすぎやな。

 ホームレスになったことはないけど、ずっとホームレスすれすれの生活をしてきたから、地べたの方が落ち着くんかな。

 きっと僕の体の中に、路上の気分があるんだと思います。路上魂、とでも言うんでしょうか。

 いま住んでいるアパートは、2年前に借りたんです。1998年に尼崎から東京に出てきて以来、初めてのエアコンつきの部屋です。家賃は5万円。

 でも、もともとついていたエアコンは室外機が故障気味で、2階に住んでるお姉さんから「うるさい」って注意されてしまったんで、生まれて初めて新しいエアコンを買いました。8万円もしました。

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エアコンに感動するチャンス大城さん