※写真はイメージです。本文とは関係ありません
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■不登校の理由

 夜逃げのテーマと同時に、不登校のテーマが登場した。

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【ショウタさん】そっから、僕もなかなか、そのときは越してからも学校は行ってたんですけど、『なかなか母親が目離せないな』ってときに休んだりとかして、学校の勉強にもあんまりついていかれへんし、クラスにもあんまり、馴染めてはいたかな。馴染めてはいたんですけど、なかなか行けない。

【村上】どのくらい休まなきゃいけなかった?

【ショウタさん】あんまり学校自体がそんな好きじゃなかったんですけど、小学校4年生ぐらいまでは、学校には一応、通ってたんですけど、それでも。でも、小5ぐらいから全く行かなくなった、学校に。

 母親の不調・転居と連動した不可避的な帰結として不登校が選ばれている。ここで「なかなか~ない」が3回登場し、母親から目が離せないので学校に行けなくなるという状況への閉じ込めが際立ってくる。「母親が目離せない」ことと「学校の勉強」についていけないことが、ここでは不登校の理由として挙がっている。これより前に、「おなかが痛い」ことも本人の語りのなかで挙げられていた。
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 さらに、インタビュー後半で振り返ったときに、もう1つの不登校のきっかけが語られた。

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【ショウタさん】小学校高学年のときに一回、母親が、うつがひどくなって、病院に入院してたときがあったんですけど、その病院も結局、やぶ医者やったんですけど。入院してるあいだに児童相談所に行って、3カ月ぐらいいたんですね。小学校何年生かな。3、4年生ぐらいのとき。3年生かな。ぐらいのときに行って。

 帰ってきて、母親と一緒にまた住むようになって。学校行ったら、「あいつ3カ月もずる休みしとったで」みたいなこと言われて、『えっ』て。『なんで先生、なんも説明してくれてないの?』みたいな。『別に俺、ずる休みちゃうんやで』みたいな感じで。

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複数の事情が重層的に重なっている不登校の背景