3月8日に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。侍ジャパンのメンバーとして、日系人メジャーリーガーのラーズ・ヌートバー外野手(カージナルス)が選ばれたことが話題となっている。日本代表がWBCで日系選手を招集するのは初めてだ。
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WBCの出場資格の中には、出生した国以外でもプレーができる条項も多くあり、これまでも様々なルーツを持つ人が暮らす米国の選手を中心に、国籍を持たない他の国の代表チームでプレーした選手も少なくない。
今回の第5回大会では、これまで日本と幾度となく激戦を繰り広げている韓国代表もヌートバーと同じカージナルスでプレーするトミー・エドマン内野手を招集。日本と同じく、韓国代表がWBCで韓国系選手を呼ぶのは今回が初めてとなる。
また、台湾代表も台湾系アメリカ人のコービン・キャロル(ダイヤモンドバックス)、スチュアート・フェアチャイルド(レッズ)の2人に代表入りを打診。ともに所属チームでシーズン開幕に備えるという理由で代表入りは実現しなかったが、キャロルは2019年にドラフト1巡目(全体16位)で指名され、現在もメジャー屈指のプロスペクトとして期待されているだけに、選ばれていれば決して小さくないインパクトがあっただろう。今後、彼らが成長し、台湾代表に選ばれることがあればアジアの勢力図も変わってくるかもしれない。
中国代表には昨年までソフトバンクでプレーしていた真砂勇介が選ばれるなど、今年はアジア各国の代表チームが国外で生まれた選手を呼ぶことが話題を集めているが、過去には実績のあるメジャーリーガーが生まれた国以外の代表チームとしてプレーするケースも多くあった。
第1回大会(2006年)のイタリア代表はその典型的な例だろう。メンバーにはメジャー通算427本塁打を放ち、のちに殿堂入りも果たしたマイク・ピアッツァ捕手(当時パドレス)を筆頭に、通算79セーブ、114ホールドの救援右腕ジェイソン・グリーリ(当時タイガース)、日本でもプレーしたダン・ミセリ投手(当時デビルレイズ)、ヴァル・パスクチ外野手(当時ロッテ)など、米国生まれで同国にルーツに持つプレイヤーが多く集まりプレーした。